ひとりの道 理蝶
ちょっとひねくれてるから
きっと散歩が好きなんだ
街の華やぎから遠く
川沿いの青臭い中をゆくんだ
なで肩を揺らし 静かな方へ
誰もいない川沿いを とんがって歩く
平日のしがらみに
足を取られてちゃいけないぜ
ため息の暮らしをやり直す
ひとりの道なんだから
ふいに
丸石だらけの
優しげな河原に
少年少女が駆ける幻
それはふと立ち上がった思い出か
それともなんだ
やっぱり僕は寂しいのだろうか
わからない
考えたってわからない
たぶん答えはないさ
いつか答えにするのさ
幻とは
忘れがたい何かからの言づて
今僕にできるのは
忘れずにそっと胸にしまっておくこと
まっすぐ続く ひとりの道
川沿いで聴く 午後のスピッツ
幻を連れて どこまでゆこうか
風に吹かれて どこまでもゆこうか