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スレッドNo.3797

2024年4月2日から4月4日までのご投稿分の感想と評です。    夏生


大変お待たせしました。
4月2日から4月4日までのご投稿分の感想と評です。


「傘」 喜太郎さん

喜太郎さん、今回もご投稿くださりありがとうございます。
僭越ながら御作「傘」の評を送らせていただきます。

<「好きな人と相合傘をする
僕が好きな人としたい事の3番目
叶えてくれる?」

遠慮がちですが、これは叶えたいという思いの強さを
感じました。ささやかなようでとても貴重な瞬間です。

<「1番と2番が知りたいな」
「君」の恥じらいが見えるようです。
二人の幸せな時間が目に見えるようで
読み手も照れてしまいました。すみません…。
ささやかなこと、何気ないことも幸せに感じられる。
恋をしている時の幸福感が伝わる一篇でした。
次回作、楽しみにお待ちしております。



「あの日のかわいそうなささくれ」紫陽花さん

今回もご投稿くださりありがとうございます。
僭越ながら御作「あの日のかわいそうなささくれ」の評を送らせて
いただきます。

ささくれといえば。私は緊張やストレスを感じたときに
ささくれを剥いてしまう、あるいは自分でささくれを
作ってしまう悪い癖があります。
ささくれを剥いて血が出ると安心するのです。理由はわかりません。
精神的なナニかだそうですが、治りそうにありません。

この詩はささくれを癒そうとしています。
絵本のような穏やかな語り口。痛みもかなしみも
波になって撫で、揺らし、丁寧に癒そうとしています。
言葉ではなく「行動」でそっと。
波の音が聞こえます。月の光も感じます。
読み手はささくれが癒えていく過程を追体験します。
思い詰めたものまで癒されて、やっとその場から離れることが出来て。
終連ではあの日を懐かしむような、切なく思うような余韻が感じられて
よかったです。紫陽花さんならではの描き方だと思いました。
御作、佳作とさせていただきます。



「しょっぱいお握り」 あこさん

初めまして、あこさん!
ご投稿くださりありがとうございます。
初めての方は感想のみとさせていただきます。
ご了承ください。
僭越ながら御作「しょっぱいお握り」の感想を送らせていただきます。

父母の愛を知らない主人公に家族のあたたかさを教えてくれた
「きみ」の存在が救いでもあり、失ってしまった後は苦しみに変わって
主人公の心に強く残っています。
愛情が深いほど依存してしまう心があって。「きみ」の心があたたかさが
今は痛みのように感じているように見えました。
自分のために握ってくれたお握りの味、しょっぱさが強いほど忘れられない。
忘れられないつらさがありました。
この主人公に再びあたたかい出会いが来ることを祈らずにはいられない
一篇でした。
次回のご投稿もお待ちしています。


「ひとりの道」 理蝶さん

理蝶さん、今回もご投稿くださりありがとうございます。
僭越ながら御作「ひとりの道」の評を送らせていただきます。

言葉のリズムが良いですね。「ひとり」ならではの自由を感じます。
自分に言い聞かせるような言葉が光っています。
今の「僕」をしっかり感じて受け止めている。
本当は寂しいのかもしれない、という気持ちも否定せず、
いつかへ答えを
求めています。

>幻とは
忘れがたい何かからの言づて

ここ、素晴らしい表現だと思いました。
理蝶さんの詩人としての光を見た気がしました。

風に吹かれながら行く「僕」の足取りの軽さ。
読後は清々しい気分になりました。
御作佳作とさせていただきます。



「人間の尊厳」 秋乃 夕陽さん

秋乃夕陽さん、初めまして!
ご投稿くださりありがとうございます。
初めての方は感想のみとさせていただきます。
ご了承ください。
僭越ながら御作「人間の尊厳」の感想を送らせていただきます。

人を人とも思わない、人間の尊厳を踏みにじるような
行為や制度が急速に増加している今、御作は大きく響きました。

<少しかさついた指先が冷たくて
それでも「有難う」という言葉が
何だか妙にあたたかい

2連目にその情景が描かれています。
様々な事情を抱えたホームレスの方々に向ける
視線のあたたかさに心救われます。

この詩の主人公は偏見や蔑みではなく、ホームレスの方々から感謝の意を
受けて
<ヒトとヒトとの繋がり
人としての尊厳を思い知らされた

と、心を大きく震わせます。
読み手の心も大きく震えました。


3連目から5連目の気づきと確信の流れは見事で
人の尊厳は簡単に崩れない、どんな逆境の中でも
生き抜いていこうとする人の力強さに希望を感じました。
それは願いでもあるような気がしました。
次回もご投稿お待ちしています。



「お大事に」 温泉郷さん

温泉郷さん、初めまして!
ご投稿くださりありがとうございます。
初めての方は感想のみとさせていただきます。
ご了承ください。
僭越ながら御作「お大事に」の感想を送らせていただきます。

重力がないとしたら…ふっと想像が巡ります。
果樹園に入った「私」は落ちたリンゴを見て
重力があることを確かめます。
空から風が吹くとリンゴもスイカも舞上がっていってしまう。
ユニークでおぞましい光景が広がります。
「私」は驚きと悔しさと羨ましさに苛まれます。
<重力がなんだ 俺だって
と叫んで布団をはねのけ
空に向かって思いっきり跳んだ

そして

<裂くような稲妻が仙骨から脳天を貫き
白銀色のギザギザがまぶたの裏を突き刺した

<重力の証明のために 腰を犠牲にする必要まではなかった

と、後悔するところ、面白いですね。この詩のユニークさを際立たせています。
不思議な詩ですが、読み応えのある一篇でした。
次回もご投稿お待ちしています。

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