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スレッドNo.3799

しかめっつらのピエロ  ふわり座

僕のあだ名はピエロ
皆んなを喜ばせるのがたまらなく大好きな高校生だ
でも皆んなの笑顔は好きなくせに僕は笑顔を
つくるのが下手で大体いつもしかめっつらを
している
そんな僕にも例外はある 大好きなあの子の
恋のキューピッドにはなりたくないということだ

学校の帰り道誰か喜ばせたいなと思いながら
街をぶらぶらして家路についた
僕を待っていたのはいつも通り
誰もいない真っ暗な部屋だった
喜ばせる相手がいないことほど寂しいことはない
これじゃしかめっつらにもなるよね
早く明日にならないかな
さっさと寝てしまおう

朝だ よし 今日も皆んなを喜ばせて僕も
笑顔になるぞ
しかし何かイヤな予感がする 
なんて思いを抱きながら歩いていると道の真ん中に
大好きなあの子が立っている
難しい顔をして誰かを待っているようだ
彼女が僕に近づいてきた
どうやら僕に用があるらしい
どうしてイヤな予感て当たるのだろう
彼女は僕に恋のキューピッドをやって欲しいという
断れるはずもなくしかめっつらで
彼女の言うとおりの場所へ行くと
女の子が一人でぽつんと立っている
どういう事だ女子同士の恋愛なのか その子は僕に
「あの子あなたの事好きだから付き合ってあげて」
と言う 願ってもないことだ
いつのまにかしかめっつらは笑顔に変わっていた
急いで彼女のところに戻ると彼女は
少し微笑みながら一歩ずつ近づいて
僕の肩に頭を乗せて
「好きだよ」と言った
僕は黙って彼女を抱きしめた

これからはしかめっつらのピエロはもういない
笑顔のピエロが皆んなを 彼女を喜ばせるだろう

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