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スレッドNo.381

手漕ぎボート  cofumi

色なき風が吹く季節になると
誰も来なくなる。
枯れた葉が揺れて
一枚一枚落ちる音さえ聞こえる。

静まり返った湖は
忘れられた人と同じくらい寂しい。
台風で私は流されないように
縛り付けられている。

水面に映る景色は
どうしたって美しくて、
オールでかき混ぜてしまいたいくらい
嫉妬してしまう。

そのうち雪が積もって
私の化粧も剥がれ落ちる。
古くなれば目をかけてはもらえない。
悲しみばかりが積もる。

いつかの若い二人が乗ってきたら、
一番素敵な場所へ誘ってあげる。
それができたら、解体されるのもいい。

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