母 秋乃 夕陽
些細な日常のことでも
すぐ喧嘩になる
お互いが酷い言葉を投げかけあっても
いつのまにか何もなかったかのように
元通りに笑い合う
お互いわがままを言い合い許し合う
私にとって母は母でもあり姉妹でもあり
かけがえのない友人でもある
病気の夫からは悩まされ苦しめられ
えも云われぬ暴力から私と弟を守り育ててきた
私が体験したことのない苦難を乗り越え生きてきた母
濁流に飲み込まれることなくしっかりと脚を地面につけ
いつも真っ直ぐな母には尊敬の念しかない
私に同じことができるか問われても
それはまったく分からず
ただ母と共に歩んでいる
少し曲がりはじめた背中を見つめ
母の信念を受け継いで
私は母を模倣する