破片 ゆき
僕の事を誰よりも分かっていると
いつも言っているのだから
もうあなたの決めたルールに
付き合うつもりはない事も
分かってくれるよね
坂道を自転車で風を感じながら
一瞬でいいから手を離してみたい
きっと痛い思いはするだろうし
傷も残るかもしれない
あなたは怒るだろう
気さくで誰とでもすぐに打ち解けられる
あなたとは違う僕を誰に似たのかしら
うちにはそんな人はいない筈なのにと
期待に応えられない僕を
突き放す冷たい言葉に心が砕けて
散らばった破片はもう元には戻らない
悲しみの代わりに憎しみが
僕の中に育ってしまう前に
今はただ自由になりたいんだ
分かってくれるよね
母さん