呪物になったかかし 紫陽花
私の顔は白い布でできている
多分息はしていない
眼も鼻も口も誰かが書いた
手も足も動かない いや動かしたくない
こんな私を見てみんな笑うだろう
あの時のままだ
私はいつも寂しかった
一人ぼっちだといつも訴え続けていた
誰もいない畑にずっと立った
雨の日も風の日も
そしていつのまにか忘れられた
この広い世界の中で
止められない世界の分断の中に
私も巻き込まれたのだ
自分で考えて行動してこなかったから
誰かに作られて
誰かにすがりついて
誰かに意見を求めて
行動の結果は全部誰かのせい
私が不幸なのも誰かのせい
もう自分で考えることもできない
頭の中は藁だから心臓だって藁だから
いきいき見える周りのみんなが妬ましい
こうやって呪物になったかかしがいた