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スレッドNo.3975

評ですね。5月10日から13日ご投稿分  雨音

が遅れて申し訳ありませんでした。気長にお待ちいただいたことお礼申し上げます。ありがとうございます。

「花心」じじいじじいさん
じじいじじいさん、こんにちは。大変お待たせしました。
ひらがなの詩をいつも拝見しておりますが、今回は大人向けの作品、拝見させていただきました。書き続けられると慣れていかれると思います。どうぞぜひ続けてくださいね。というのもじじいじじいさんのお人柄、そしてお気持ちの美しさが作品にとてもよく映し出されていると感じました。花への気持ち、花から受け取る気持ち、そういったものをいろんな思いを投影しながら描かれています。詩に横たわる想いがなんといっても素敵でした。
ただ、やはり慣れていないのかなと思う点が、二連以降見られてきました。一連目は導入部で、リフレインや重なっていく「私」などはこのままでも良いと思います。ただ、二つの連に分けてもいいかもしれませんね。連を分けることで逆にテンポが良くなると思います。そして、二連目以降ですが、こちらは少し推敲してみてはどうかなと感じます。今は、じじいじじいさんの想いが全て文字にして書かれているように思います。それは私、花、という二つの主人公の登場の多さからも、一行の長さから伝わってきます。これを詩というものとして凝縮していく、どちらかというと引き算になりますが、さらに足すものも出てくるかもしれません。どうぞ何度も何度も推敲されて、読んでみてください。きっと素晴らしい作品になると思います。

「小さきものへの哀歌」上田一眞さん
上田さん、お待たせしました。こんにちは。
とても良い作品だと思います。佳作です。
やどかりを眺めながら深まっていく思考、内側へ内側へと続いていきます。それは、引いては返す波のようでとても壮大なものにつながっていきますね。
ただ、一つだけ気になったことがあります。それは冒頭の「潮溜まり」なのですが、潮溜まりって干潮のときに水がひいたときにできる磯などの岩のすきまにできる水たまりのことですよね。そうすると、ここに砂があってそれを掘って水溜りを作るっていうのは少しおかしいので、潮溜りができた岩に座って砂浜に向かって足を投げ出しているのかな?と思ったんです。そこが冒頭なので、そこで引っかかってしまうと情景が浮かびにくくなってしまいます。そこを上田さんの描きたいものに近づけるために工夫して見て欲しいと思います。

「ワニを焼く」荒木章太郎さん
荒木さん、お待たせしました。
とても面白いタイトルでどんな話になるのかなとワクワクしてしまいました。そして、作品はその期待を裏切らないものでした。佳作一歩手前です。
さて、まずは出だしがいいですね。ワニって言われてみたら甲殻類みたいな気がします。あの皮をかぶっているし、ゴツゴツしていますものね。で、うっかり焼いたら赤くなるのかと勘違いしそうになりました。エビやカニみたいに。中華屋さんという設定も良いです。そして、この赤つながりは最後まで続いていきます。そこもとてもいいなと。ユーモアがありながら、考えてしまう、日常でありながら非日常である、そういった対比が感じられてその立体構造が短い作品に「ため」を作りますね。
ところで、レッドロブスターというチェーン店があるのご存知ですか?そこに昔行ったときに「ワニ」がメニューにありました。シーフードなんだなと思ったんですよね。というわけで、この作品は決して唐突ではなかったんですよね。

「僕の名は」相野零次さん
相野さん、お待たせしました。
こちらの作品はひらがなでした。ひらがな表記については少し思うところがありますが、ご自身のこだわりがあると思いますので、その点については自由です。ただ、少し厳しくなってしまう面があるということだけお伝えしておきますね。
実は、私も最近「始まり」と「終わり」について考えたところでした。そして、相野さんの1連に似たようなことを考えました。始まりは終わりで終わりは始まり、みたいなことをです。相野さんはそれを時計に見立てて考えられたのですね。だから、時計のはりがI(アルファベットのアイ)になる午前0時、終わりで始まりのその時間、からペンネームを取られたということで、とても素敵な自己紹介になっていました。そんな由来のペンネーム、とても素敵ですね。

「終わりの終わりはゼロ」ふわり座さん
ふわり座さん、こんにちは。
相野零次さんの作品を読んだ次が、ふわり座さんの「終わりの終わりはゼロ」というタイトルだったということに何かとても縁を感じます。やっぱりふわり座さんも終わりは始まりというテーマで書かれています。こちらの作品はおまけの佳作です。ふわり座さんよく頑張っていますね。一生懸命試行錯誤して書かれたのが伝わってきました。直すところはないのですが、一つアドバイスするとしたら、少し力を抜いてみてください。少しサラサラっと力を抜いた作品もたまには書いてみたりして、ふわり座さんの詩作の幅を広げていって欲しいなと思います。というのも、ずっと一生懸命真摯に書かれてきて随分と書けるようになってきたのですから、その先へ、と詩作を楽しまれていくために、提案します。
続けて二作、始まりや終わりについての作品を拝見して、実際私も最近そういったものを書いたんですが、そうしてみると、その人の人生観っていうのがすごく反映されるんだなと感じます。どれが良くてどれが悪い、とかではなくて、どれもいいんですよね。みんなそれぞれの死生観みたいなものを持っていて、みんなそれぞれの人生を持っていて。私も若い頃と今では全然違いますし、感覚って常に変わっていくものなのですよね。

「お大事に」温泉郷さん
温泉郷さん、こんにちは。
日常のほんの束の間を切り取った作品はとても温かいですね。良い作品だと思います。作品を最後まで読むと、その一言が「お大事に」だということがわかりました。まず、この作品は前半部は私をそわそわさせてくれました。どっちだろう、と主人公と一緒にそわそわしドキドキし、そして、くしゃみメインの風邪ひきさんかなというのがわかります。さらに、その後の、主人公の心模様がなかなか乙に描かれていて、よく構成されリズムの良い作品でした。佳作です。とても力を感じました。これからも楽しみにしていますね。

「影法師の歩く道」人と庸さん
人と庸さん、お待たせしました。
まだよく存じ上げない方なので、評価はつけませんが、作品はとても素晴らしいものでした。大きな力を感じながら読ませていただきました。構成や設定、そして、描き出すものの力、いずれもとても強く印象に残るものでした。これからもとても楽しみです。
影法師が淡々と歩いていきながら、徐々に生き生きとし始める、そして、さぎ草の場面が訪れます。白い小さな花が羽ばたいていくところが目に浮かんできました。影法師も一緒に羽ばたいていく。今はもうお祭りの日にしかいない影法師が何を示唆するものなのかははっきりとはわかりませんでしたが、もしかしたら誰かなのかもしれませんし、誰でもないかもしれません。けれど、それは別にどうってことないんだなと最後まで拝見して思いました。とてもよかったです。

「ていねいに」まるまるさん
まるまるさん、こんにちは。今日のトリはまるまるさんです。
今回もとてもいいですね。佳作です。
まるまる節、と言いますか、まるまるさんの独特な優しい世界が作品にいつもあることが私にはとても嬉しいです。今回も新人さんが運んできた「丁寧」を愛おしみたずさえて暮らすことになったことがとても素直に優しく、押し付けがましくなく、さらりと語られていました。とても素敵だと思います。こういう優しい世界がどんどん広がっていけばいいのにと思ってしまいました。

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力作揃いで、読ませていただきながら、「みんな上手だなあ」とつくづく感じました。
毎日の生活は、待ったなしで進んでいきますが、ここに集まる方たちは詩情を胸にみんなそれぞれの場所で日々を送られているのだなと改めて思います。

梅雨がやってきますね。雨も良いものですよ。

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