一目惚れ一本 喜太郎
友の学校の文化祭
遠くから指差す先に
あの子は笑っていた
学校で一番の人気者だと?
『!』
僕の心は問答無用で
切り捨て御免の恋に落ち
無理無理無理の友の声
何にも知らない初対面
いきなり藪から棒の馬の骨
それでも問答無用で切り捨てられたこの心
責任取ってくれよと這い上がり
必死だろうが決死だろうが立ち向かう
ありのまま思うままの上段の構え
思い切って彼女に振り下ろす
『一目惚れしました
友達から僕を知ってみてください』
多少は太刀筋『友達切り』の弱めにしといだけど
これは決して弱腰なんかじゃない
肉を切らせて骨を断つの極意………かな?
などと思っていたら
『良いよ じゃあ とりあえずLINE交換しよ』
思いっきりの返り討ちをくらいあたふた携帯探し出す
日も暮れて満月照らす俺の部屋
両手で携帯 机に向かい
さぁさ これから本勝負の真剣勝負
今度はしっかり向かい合い
剣先を合わせ立ち向かうのだ
『初めっ!』
この真剣勝負 鍔迫り合いでこちらがリードし
突き放しての面一本の狙い撃ち
決して負けるもんかと
何度も書いては消しての繰り返し
とりあえずは様子見と
小さく小手先狙いで自己紹介
既読がつくだけでベッドでのたうち回る
もう既に一本取られてる気がする
まだまだこれから三本勝負
ん?一目惚れ一本 既読で一本
返信来たら また一本
何本取られても 好き好き大好き!