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スレッドNo.4048

シマ  理蝶

シマがこちらを見とる

シマはおれと同じくらいの力だ

シマが来て体が重くなった

正直言うておれはもうやられるかと思った

シマは窓から ずっとこちらを見とる

シマが一度来て 一旦帰って
また夜に来た

シマがまだ帰らない
シマが!

○○さん、帰るよ
みんな待ちよるよ

うんうん これだけ言わせて
シマは 死神よ

そう言い残して
○○さんは送迎バスに乗った

ごめんね
あれは過去のトラウマとかが
彼の中で入り組んで
ああいうのを 見せているらしいんだ
職員さんは言った

シマ 
嶋、島 あるいは 死魔

彼の視界にのみ
未だ刻印されている傷跡

彼の苦悩が凝結した
脳からの使者

ふと窓を振り返った
垂れ込める曇天と青葉 それだけ

僕にはまだ シマは来ない
けれど 
すぐそばまで 来ているかもしれない
誰だってそう 
僕だって あなただって

窓から
空と青葉だけが 見える日々は
まったく当たり前ではない




※ 本作は実話をもとにした作品です。そのため「シマ」という語を用いたことに、一切の他意はございませんのでどうかご了承ください。

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