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スレッドNo.4072

感想と評 6月4日(火)~6月6日(木) ご投稿分 澤 一織(6月11日)

6/4~6/6ご投稿分の感想と評になります。読み手の一人の感想として読んでいただけたら幸いです。



◯ 喜太郎さん「一目惚れ一本」

初めまして、こんにちは。喜太郎さん。お待たせしました。

いや~、拝読しながら終始きゅんきゅんくすくすしていました。
相手のやりとりを剣道の技でユーモアたっぷり表現しながら、しっかり恋愛詩に昇華していますね。

「友達切り」とか「返り討ちをくらいあたふた携帯探し出す」とか、言葉選びも面白くて、個人的には特に後半のLINEの場面で食らいましたね。「一目惚れ一本」「既読で一本」「返信来たら また一本」など。また最後の心の叫びは振り切っている感じで「突き!」(好き)の様子を思い浮かべました。ほんと拝読していてとても楽しかったです。

喜太郎さんは現在進行形で大切な人を思っているのでしょうか?
「既読がつくだけでベッドにのたうち回る/もう一本取られている気がする」。ここ、さら〜と書かれていますが、とてもリアルで、心に響いた人は結構いたのではないでしょうか。片思い中とか、恋愛真っ最中な方は特に。
僕もありましたね、送信直後からそわそわ・・・まだ全然時間経っていないのに既読つかないのに凹む」みたいな。

また剣道の知識が皆無な僕でも、躓くことなく読めました。
素敵な詩をありがとうございました。
喜太郎さんの他の恋愛詩や他のテイストの異なる作品も読みたくなりました。



◯荒木章太郎さん「傍観者のうた」

初めまして、こんにちは。荒木章太郎さん。お待たせしました。

気づかぬ間に報酬や日々の生活の為、或いはある事業を達成するため、日々習慣づけられ進めてきた仕事がある。それが時に倫理に背くことや自然を破壊する行為であったとしても。
そして五連の最後(こんな事業に加担していたのか)という「気づき」。今後は内になる声に耳を傾け、意思を取り戻して、残された労働者としての時間を全うしていこう。そんな風にこの詩を拝読していました。一労働者である僕は沁みる内容です。

一点。個人的にこの作品を更に覗いてみたいと思った点はやはり五連。条件づけられた自分に対しての「気づきの<きっかけ>」です。
なぜ染み込んでいるはずの肉体、思考に対して自分への内省に至ったのか。「傍観者(とされる)」から脱却を試みようとしたのか。すでに描写されている四連から五連の行間から想像するのも面白いのですが、やはり読者として、荒木さんの「こころの動き」にもう少し入り込みたいですね。とっても素敵な内容です。ぜひ磨き上げてください。
ありがとうございました。



〇紫陽花さん「カッパ」 

こんにちは、紫陽花さん。紫陽花さんは去年の3月15日「君とカフェで」ぶりですね。

いやー面白いです!
登場人物全員「カッパ!」ですか!?
と思って、最初拝読してみたのですが「お母さん」と「私」(親子)の正体は明かされていないんですね。
うーんーなかなか人間界に溶け込めない、いまだに友達ができない・・・「何者」なんでしょう笑。
わくわく想像しながら読みました。

また、お母さんのことや連れてきたカッパの特徴や様子も書かれているので、それぞれのキャラに愛着も沸きます。

出てくるアイテム(と此処では呼びます)も好きですね。「合羽」「河童」「お札を部屋に貼る」など、何処か日本的なノスタルジーも感じました。

僕は最近、子どもへの読み聞かせで絵本に触れる機会が多いのですが、この詩、絵本として読んでもとっても面白いだろうなと思いました。

しかしーーこの親子は、カッパですかねーー!気になります笑。
愛らしくて心地の良い謎を残してくれる御作でした。もちろん評価は佳作です。
素敵な作品ありがとうございました。



◯秋乃 夕陽さん「病床の光」

初めまして、こんにちは。秋乃 夕陽さん。お待たせしました。

病床での一場面。作品の向こう側からしっかりと「心」が伝わってきます。
Kさんの孤独な病院での入院生活。ほんとに会いに来てくれた、そして寄り添ってくれた「私」に心が震えたのでしょう。まさにタイトル通りKさんにとって「光」であり、詩の話などができる「私」にとっても「光」なのでしょう。

そうですね。
欲を言えば二人に流れている背景を知りたいです。「私」と「K」さんの関係性が想像できる箇所があると読み手もより作品に近づけると思います。

この詩、秋乃さんにとって
とても大切な作品だと思います。
更に推敲を重ねて向き合い
原石のような詩を磨き上げてください。

<追記>
書くか迷ったのですが、私事を書きます。先日ある事故で親友が利き手の指を数本切断しました。感想を書いている今も、その知らせに戸惑っています。どのタイミングで会いに行った方がいいのか、どんな声をかけたらいいのか。秋乃さんのこの詩を通して、少し考えることができました。他者の詩を通じて自分と向き合える。改めて詩っていいなぁと思いました。ありがとうございました。


○人と庸さん「緑の聖地」


初めまして、こんにちは。人と庸さん。お待たせしました。

一連から丁寧に書かれていると思いました。拝読して、昔、よく祖父に「神社やお寺を探す時、大きな木があるところを探してごらん」と教えてもらったことを思い出しました。

全体の内容に入りますが、「わたし」は以前、仕事での他者のまなざしに苦しんでいた心を鎮めるため、「緑の聖地」で手を合わせていたんですね。その過程を経て、別の方法も見つけられた。拝読して素敵だなと思うのは、今、「緑の聖地」を訪れるのは、「家族」、自分以外の「誰か」(他者)のために手を合わせているということ。感動しました。
また引用しつつ表現された最後の終わり方もよかったです。注釈もありがとうございました。

作者の「こころ」がしっかりと伝わってくる素晴らしい詩でした。
ありがとうございました。


以上、5作。皆さんの詩に触れて嬉しかったです。
最後に、島さん、旧掲示板からの移転二年目、54万アクセスおめでとうございます。
それでは僕の周りでは風邪などが流行っていますが、皆様もご体調にはお気を付けてください。

編集・削除(編集済: 2024年06月12日 22:54)

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