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スレッドNo.4088

光源  鯖詰缶太郎

肩で風以外のものも切ってきたのか
浅黄色と暗礁の中に沈むような紅が
四辻の中で
俺の弱音を待ち構えている

テトラポットに
二時間 佇んだ
深海のことに想像を巡らした
でもなにも思い浮かばない

深海はどうせ まっくらだ
深海はどうせ まっくらなのだと
またそのままにしている

本をもっと読まなければならない
身体をもっと鍛えなければならない
腹筋はわれて
はじめて腹筋なのだと思わなければならない
成功者の話をもっと聞かなければならない

四辻に 光を通す
あれが あんな 暗く卑しい目つきで
俺の欲望を見透かす あんなものが
ブラックホールのように光を通さない
絶望であってたまるか
生きたまま 行き止まりを
行き止まりだとも 気づかずに
おろおろするのが 人生であると
わりきろうと おもっていたのに
わりきれるほどの整合性を
本に見いだせなかったからか
腹筋もわれなかったからか
成功者の書いた本が
どこぞで読んだ自己啓発本と
内容がほぼ一緒だったからか

なにかが違うと思った
なにかが違うから
あの四辻に 光が通らないと
思い込んでいるこの苦悩も
ずっと間違えていたのではないかと
そう思った
そう思えた
本当にそうなのだろうかと
まだ疑っているけど
そう思いたいと
今度こそ 四辻を 真っ直ぐに みつめた

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