死んじゃうなんてイヤだ まるまる
死んじゃうなんてイヤだ
幼稚園からの帰り道 長男が
何かあったのかな
「雪が解けちゃうなんて嫌だよ」
冬にそう言った時と 熱量は同じくらい
でも ドキッとした
私も怖かったから
ゴールがないほど 怖かったから
それで 母に言ったのに
小学校の先生に言ったのに
答えはもらえなかった
拠り所を必死で探して
ようやくの解決策は
一秒たりとも無駄にせず
夢を実現させたらどうか
もしも手が届かなくても
納得するまで挑戦できれば
悔いはない
やりきる ということ
安心できたような できないような
でも それで精一杯
夢は叶わず
納得は 過ぎた時間が
連れて来た
その私は 大人になった
安心させてあげられる 答えの準備を
しなくちゃ
この子が本気で怖がる前に
もらった命を無駄にせず
誇れるように生きられたか
自分を振り返る
予想を超える 衝撃だった
なんてたくさんの
恥ずかしい事 悔やまれること
夢を語ってなんていられない
やってしまったこと
やらずに済ませてしまったことは
変えられない
どうしよう
取り返しがつけられないなら
せめて 償えたら
誰かに捧げる時間は
私の予定にはなかったはず
でも
きっと つながっている
しっかりと 自分を終えることに
私自身の後始末
どうしてもやらなくちゃ
見つかった課題
それは人として当たり前のことだった
生きていく時間の中で
同じように 生まれてきた周りの皆の
生きていくことを妨げず
お返しをちゃんとして
傷つけてしまった分は
どこかで 何かで補いたくて
自分が生まれて今までの年月
いやな足跡も残したけど
今 在る者の役目として
できれば他の
生きているもの 生きていないものと一緒に
豊かな実相を積み上げて
そうやって命をまっとうしたい
それが生きている間に
やること
そして生まれたから
できること
その仕事をすればいい
自分が居なくなり
二度と暮らしていけないなんて
まだ怖い でも
ゴールに向かっているとしたら
希望 でもある
人として精一杯の関りをして
いつか来るその日まで
生きていけばいい
長男にはまだ難しそうだな