なにか ひそむ もの 益山弘太郎
存在を 超えて
輪郭を 超えて
私たちの 心の 奥の
深く 深く 水底に
その 湖は 満ちて いた
木立が あって
雌雄の 獣が 徘徊する
風が 吹いて いる
花が 咲いて いる
湖から 溢れ出る 大河 には
昼夜が あって
昼には
太陽と 湿気が 共存 して
夜が やって 来ると
蒼天 宇宙の 星々が 歌を 歌って いる
そして
存在の 内に
輪郭の 内に
この 絶景 世界 は 少しづつ
私たちの 心の 表層 へと
滲んで 来ては
やがては
潜在世界から 顕在化した
私たち 自身 へと なって行く のだろう