とあるホテルマンの日常 松本福広
電車で勤務先のホテルへ向かう
反対側に乗って海に行きたくなる
そんな妄想を抱いてしまうのは
日頃からのことで
いつもの乗り継ぎで目的の駅に着く
勤務先の事務所に入ると
会社のクレドが目立つところに
掲げられており
最初にそれを目にすることになる
「私たちはお客様に非日常を提供します」
朝礼の接客用語声出し
おはようございます。
少々お待ちください。
お待たせいたしました。
かしこまりました。
ありがとうございました。
今日の宿泊予約をチェックして
リネン部門と打ち合わせ
今日はお客様が少ないですね。
そう笑う彼に
そうですね。お願いします。
その他の部門ともいつもの打ち合わせを行う
チェックインの時間
常連のお客様には
いつもありがとうございます。
新規のお客様には
ご利用ありがとうございます。
手続きはルーティンワーク
軽く会釈をしていく方
特に反応されない方
手だけあげる方
サービスに対する反応は様々
たまにクレームもある
改善すべきクレームと、理不尽なクレーム
理不尽なクレームは
残念ながらよくある
それを見ていた別のお客様
気持ちをきりかえて、いつものサービス
ありがとうございます。
お客様からの笑顔でのお言葉
業務が終わり帰宅する
先に帰ってきた妻が夕食を作ってくれていた
いつもありがとう。
私も疲れているし妻も疲れているだろうから
急にどうしたの?
そう笑う妻、一緒にビールを飲もう