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スレッドNo.4201

ルフラン  三浦志郎 7/12

その言葉 フランス語
英語で「リフレイン」
日本語で「繰り返し」

反復は音楽や詩の常套手段である
刷り込みの効果だろうか
度が過ぎると迷惑だが
度が過ぎてかえって名曲になったものもある

フランスの作曲家 ラヴェルによる
バレエ曲 「ボレロ」

とりわけ オーケストラの
スネアドラマー(小太鼓奏者)をスポットしたい

一曲約十五分 三拍子 全三百四十小節のうち
ドラム 三百三十八小節を全く同じ音符のルフラン
試みに分析すると
ドラム 同リズム スティックで四千五十六打

その数を―
奏者も 
もちろん聴衆も 
意識はしないが
大小さまざまな多数を打ち込む
その一打一打の積み重ね
その総体に築かれる音楽

出だしが最も困難で
打楽器奏者にとっての
ある種の試練
技術よりも心の均衡
オーケストラ全員が彼の精神に支えられる
後方にいるもう一人の指揮者だ

一曲を使っての一つのクレッシェンド
各楽器の登場で光彩が与えられる
旋律もドラムに従い反復が続く
リズムが第二の旋律
なによりも
音楽の「場」であり「風景」であり「環境」だ

その打刻に導かれオーケストラは
ピアニシシモの地を発し
フォルテシシモの門をくぐり
ゆっくりと雄渾に
ルフランの架け橋を渡る

会場の人々は賞讃し歓迎する
ルフランへの感動
その声と拍手

反復が
シンプルを突き抜け
辿り着く先は

舞踊と音楽の王国


                        
                                クレッシェンド……だんだん大きくの意
                                ピアニシシモ……音の最弱
                                フォルテシシモ……音の最強


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付記
あの優美な旋律と、どちらかと言えば、あの角ばったリズムパターンはあまり相性は良くないと思えるのですが、
妙にブレンドするのは不思議としか言いようがありません。
                          

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