甘さに危険と彩りを添えて 松本福広
ドラゴンフルーツなんて
普段は食べないものを
あの人からもらった。
あの人とは他の人に知られれば
後ろ指をさされる関係。
だから、鍵付きのレシピに綴っている。
義実家からの頂き物もあり
ドラゴンフルーツは
すぐ食べるわけでもないので
ジャムにしてしまおうと思った。
ハチミツという甘い嘘をたっぷり使って
レモン果汁の酸味をほんの少し。
煮詰めてしまえば
本当も嘘もすぐには分からない。
せっかくだから
ジャムパイをしようと
「本当」が見えないように
パイで包み隠してしまう。
オーブンで焼けば
ドラゴンフルーツのジャムを
包んだパイが出来上がった。
パートナーが育ててくれている
夾竹桃の花を彩りにそっと添える。
花言葉、石言葉とかあるけれど、
果物言葉なんてものもあるのを
最近知ったので
パートナーとパイを食べながら
その話に花を咲かせよう。
※
ドラゴンフルーツ→『燃えるココロ』『永遠の星』などの言葉が有名ですが、果物言葉も諸説あるようで、『危険な愛』という言葉もあるそうです。
夾竹桃は家庭菜園もされているようですが、毒性があり、花言葉として油断大敵」「危険な愛」「注意」「用心」「たくましい精神」などがあるようです。