夏のユメ
夏になると聴きたくなる歌がある
夏になると行きたくなる場所がある
夏になると会いたくなる人がいる
今年も太陽が会いに来た
冬眠から目覚めて
春の息吹を吸って
甘い蜜のあるほうへ
心と体の境目なんて分からないくらいに
ジリジリ暑い夏
おもちゃ箱をひっくり返したような
毎日だ
午後七時の暮れゆく空を眺めて
キラキラほと走る夜が始まる
何かに期待して
空に弧を描いて
夜が揺れている
夏のユメはここにある
昔から変わらない
きっとこの夜は終わらない
そんな時間の中にいる
一瞬のヒカリたち
次の日も次の日も
やってくるのが当たり前で
何十年の時を経ても
今とここがあるように
心を彩るヒカリたち
夏のままだ
これから来る時間よ
その中にも
形を変えながら残る永遠はあるのだろう
夏のメロディーの中にそれを信じる
もしも僕が木登りしたって
みんな笑ってくれるから
曖昧に通り過ぎてしまうだろうけど
僕はゆりかごの中で眠っているよ