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スレッドNo.4309

2024年7月23日から7月25日までのご投稿分の感想と評です。

島さん、お先に失礼します。


2024年7月23日から7月25日までのご投稿分の感想と評です。

「ふ」 森山 遼さん

森山 遼さん、今回もご投稿くださりありがとうございます!
僭越ながら御作「ふ」の評を送らせていただきます。

カタコトなリズム。おぼえたての言葉を駆使するように
今の状況を、思いを綴っています。
あどけなさを感じますが、かなしみも感じられて。
タイトルの「ふ」は生きにくさを表す不自由の不か、負担の負かと
ネガティブに考えましたが、どんな状況でもふっと不敵の笑みを浮かべる
「ふ」か、泣きやんだらふっと息を吐いて次へ進む「ふ」かもしれないと
想像が巡りました。
軽い雰囲気の中に痛み、かなしみが含まれた一篇でした。
次回もご投稿お待ちしています。



「月夜」 喜太郎さん

喜太郎さん、今回もご投稿くださりありがとうございます!
僭越ながら御作「月夜」の評を送らせていただきます。

月明かりに照らされたのは「私」の心。
「あなた」はすぐ隣にいるのに遠く感じる。
その寂しさまで月は照らしているようです。
わずかなズレを気にしてしまうのは不安や不信から。
心身をピタリと合わせたいのに、心まで合わさらない。
「私」の心の温度がふっと上がって下がる。
その繰り返しをみているようで、こちらの気持ちも
揺らぎます。
「あなた」の背中を見つめる「私」の眼は寂しさと切なさに
揺れているのでしょう。
恋の切なさが残る一篇でした。
御作佳作とさせていただきます。



「さまざまな立場」 理蝶さん

理蝶さん、今回もご投稿くださりありがとうございます!
僭越ながら御作「さまざまな立場」の評を送らせていただきます。

物事の解釈は人の数ほどあるといわれています。
その中から自分で納得できるものを見つけるのは
至難の業で。正しさや真実を求めるほど深みにはまって
動けなくなります。
繰り返される「誰かが言った」はこの詩に一定のリズムを
加えています。
ここで言われる「海」は人の心のことでしょうか?
ずっとここにいればいいじゃない、と、ここを発つべきなんだよ、と
誰かの言葉が交錯していきます。
人間の本質、ことばの特性を分析する人もいます。
ことばそのものを否定する人も出てきます。大混乱です。
ことばとは何か。主人公はもうわからなくなってしまいます。
さまざまな立場から、さまざまな視点や考察も生まれます。
掴めない、掬えない悔しさが最後の連に込められているようでした。
御作佳作とさせていただきます。


「甘さに危険と彩りを添えて」 松本福広さん

松本福広さん、はじめまして!
こちらにご投稿くださりありがとうございます。
初めての方は感想のみとさせていただきます。ご了承ください。
では、僭越ながら御作「甘さに危険と彩りを添えて」の感想を送らせていただきます。

花言葉はよく聞きますが、果物言葉というものもあるのですね!
これは面白いですし、創作意欲を刺激されます。。
主人公のある種の強かさが作品に刺激を与えています。
ドラゴンフルーツの果物言葉は「危険な愛」でパイの彩りに使った
夾竹桃は「油断大敵」で主人公の複雑な気持ちが込められているようでした。
気づかないでほしいと気づいてほしいの間を揺れ動いているような感じです。
全体を通して言葉の活かし方が上手な方だと思いました。
艶やかでちょっとこわい。強かな聡明さが光った一篇でした。
次回もご投稿お待ちしています。



「夏祭り」 紫陽花さん

紫陽花さん、今回もご投稿くださりありがとうございます!
僭越ながら御作「夏祭り」の評を送らせていただきます。

場面転換が素晴らしく、幻想と現実の交互が見事に表現されていました。
夏祭り特有の喧騒。懐かしく恋しくなる賑やかさ。
金魚の浴衣から金魚だけになって、祭りの中を彷徨います。
いつか見た光景、聞いた音とすれ違いながらひとときを楽しむ。
喧騒の中を自由に泳ぐ金魚と「私」が重なったり離れたりをくりかえし
「私」が
<もうこのまま私は金魚でもいいな
と、思った瞬間、なにもかもから解き放たれて「私」は本当に
金魚になってしまいます。この流れも見事でした。
ありえないとけれど、この詩の中では自然に展開されていく。
「私」は「金魚」とは、と難しく考えようとせず、ただこの気ままな
美しさを楽しんでみようと思いました。
何度読んでも惹かれる魅力的な一篇でした。
御作佳作とさせていただきます。



「歳月」 津田古星さん

津田古星さん、初めまして!
こちらにご投稿くださりありがとうございます。
初めての方は感想のみとさせていただきます。ご了承ください。
では、僭越ながら御作「歳月」の感想を送らせていただきます。

時間が解決してくれる、つらい時その言葉で励まされたことがあります。
時を経て、経験や環境、状況の変化して物の方感じ方が変わってくると
許せるようになったり、理解が深まることもあります。
逆になってしまうパターンもありますが…。
この主人公の心情、思いがヒリヒリと伝わりました。
片思いの切なさ。彼にとって自分はなんでもなかったのかと
思うつらさ。それでも笑顔を見せてくれた日もあって
その思い出が主人公の心にやさしく残っています。
本当はどうだったのかは知るすべはないけれど、
主人公の今が当時より良い状態であれば
彼との時間も尊いものだったのではないか。
読後、思いが巡りました。
切ない思いが響く一篇でした。
次回もお待ちしています。



「古びた玩具」大杉 司さん

大杉司さん、今回もご投稿くださりありがとうございます。
僭越ながら御作「古びた玩具」の評を送らせていただきます。

私ではなく息子が幼い頃に大事に遊んでいた玩具を処分したとき
この詩のような心境になりました。
二連目でどうにか残そうと手を施しています。どうにもならない。
ここで諦めが生まれます。
三連目では現実を受け止めて処分しようと進めます。
四連目ではあの頃に思いを寄せます。ふわっとあたたかい気持ちになります。
五連目からは思い出を自分の中で残しつつ、次へ向かうために切り替えようと
動きます。
現状の整理は心の整理でもあると気づかせてくれました。
共感する方は多い一篇だと思います。
御作佳作半歩手前とさせていただきます。



「退去日」 温泉郷さん

温泉郷さん、今回もご投稿くださりありがとうございます!
僭越ながら御作「退去日」の評を送らせていただきます。

まず何と何の会話なのか、はっきりわからないところが面白いですね。
読み手はあれかこれかと想像を巡らせます。
クイズのようでもあり、推理、あるいは考察のような楽しみ方も
できる一篇です。読む人によって見えて来る物語がちがうかもしれません。
ああ、というところでは自分自身ではどうにもならない運命のような
感じから、人の転生の話かと思ったり、昆虫などの生命が短気な生き物の話か
と思ったり。そうなると>「ワンパック丸ごと廃棄事件」が何なのか
わからなくなります。長期出張しなければならない立場の主人公は一体
何者なのか。謎が深まります。もう少しヒントのようなものがあると
よかったかもしれません。
わからない面白さを楽しめる一篇でした。
御作佳作半歩手前とさせていただきます。



「暇を持て余す」 秋乃夕陽さん

秋乃夕陽さん、今回もご投稿くださりありがとうございます!
僭越ながら御作「暇を持て余す」の評を送らせていただきます。

何気ない風景でもしっかり見て、聞いて、感じたものを細部まで表現されると
読み手も同じ場所、同じ風景の中に立つことが出来ます。絵や映像を見ているような
心地になります。
この詩が絵や映像と違うところは、読み手のそれぞれの感じた方、受け止め方があって
それを楽しむことが出来るところです。
描写された風景のひとつひとつが息づき、「今」を感じることが出来ます。

清々しく心地よい時が流れます。暇であることを悪いことと、捉えがちな世の中で
この詩は時間に追われていない、自由な身であるからこそ感じられるもの、見えてくる
ものがあると気づかせてくれます。どこにでもある風景を切なく、どこか眩しく見つめている。
今の中で草の香りを纏わせながら川は流れていく。何もかもが流れて過ぎていく。
留まることができない切なさと、だからこそ光る日常があるのだと思いました。
御作佳作とさせていただきます。



今回もご投稿くださった皆様ありがとうございます!
災害級の暑さがつづいています。水分、塩分補給プラス十分な休息、睡眠もとってください。
睡眠不足は自律神経を失調させて熱中症のリスクが上がってしまいます。
寝苦しい夜かと思いますが、アイス枕等でクールダウンしますと安眠効果が
あるようです。暑さを元気に乗り切っていきましょう!無理は禁物です!

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