湧かないイメージ ふわり座
思い返してみればいつだってそうだった
弱い自分を否定して新しく何かを思い描く
でもそこには何もなかった
それが悪かったかなんて分からない
だって人は誰もが強く生きていけるとは
限らないのだから
突然降り注ぐ雨
その中で立ちすくむ僕は
どこか感傷的になっているかのような
空を見上げた その銀色の空は何だかとても
寂しそうで孤独に泣いているように見えた
僕もなのか 僕の心も泣いているのか
でもイメージは何も湧かない
だが少しだけ ほんの少しだけ
胸が苦しくて痛かった
愛が壊れた時に感じる息苦しさと痛み
それによく似ていた 何だか懐かしい気分だ
僕の人生は何なのだろう
目の前に広がる漠然とした世界で
僕は何処にいくのか神のみぞ知るといったところか
神様は客観的らしいから僕の事なんか
どうでもいいのだろう
行先が見えない僕でも
敷かれたレールの上を進むだけの人生なんか
似合わない
あっち行ったりこっち行ったりしながら
努力に努力を積み重ねた先にある世界が
とても素晴らしいものなんだと信じている
それでもイメージは湧かない
いつか夢に辿り着いたら分かるのだろうか
僕だけの世界 僕だけの場所へ
今居る場所も分からないのに見つけることが
出来るのだろうか と言いつつも
夢を抱き始めた頃からすれば
随分と遠くまで来たものだ
これはもう後戻りはできないな
これでいい もとより引き返すつもりはない
あとは続けていければいい
というところまで来たんだ
肩の力は抜いていこう
ここまで来たのに相変わらずイメージは湧かない
今は目の前に立ち塞がる壁を
一枚づつ壊していこう
僕はこれでいい これでいいんだ