顕れた 愛 益山弘太郎
春の 芽吹きが
花となって 咲く頃に
三日月は 満月へと 位相する
そして
梅雨の 雨粒が
若葉の上を ひとしきり 転がっている
真夏ではないが
なにか 夏を予感させる 季節
その時
空を駆ける 彗星が 語るのだ
来たるべき 秋を 知るかのように
往く 春 盛る 夏
やがては 訪れる 冬
すべてが 継っている
この 宇宙の 風の 中で
そして
僕は 今 貴女を 愛しています
天の川の 中心から 30000光年に
太陽系が ある 事を
人々が 余り 関心を持たぬ ように
密やかに 秘めやかに
粛々とした 力であって
爽やかな 愛だ
やがて 昇り来る 太陽も
雨露も
颯爽と 晴れ渡るだろう
一陣の 風
今 宇宙を 駆けて
消えて往く 星たちと 共に
僕達は ここに 居る