怒りの星で生きるには 荒木章太郎
出どころがわからぬほど
混乱した嵐の中で
人々は罪を冒した
昔からある「羊の生贄」
一つの悪を特定しないと
安心できない悲しい空気だ
俺も昨晩罪を犯した
星を滅ぼすほどの
愛情が曲がって歪んで
憎しみとなり
涙が澱み盲目になる
天塩をかけた羊のために
悪者探して生贄にする
明け方までに腫らした瞳で
女神と呼ばれる明星見上げた
あまりの赤さに大地が爛れる
なんて希望に満ちた怒りか
この怒りが背後に迫る
虚無から俺を守っていたのか
自分が無となる恐れをみつける
まだ繋がりを求めているのだ
まずは互いの恐れを出し合い
嵐の中でも対話を続ける