いただきます 紫陽花
ぬか床から茄子を取り出した
掴み方が乱暴だったのかな
茄子がきゅーって鳴いた
美味しそうだった茄子が
きゅーって鳴くから
まだ、お皿に乗せたまま私は
ちょっとシワシワになって
頼りない茄子に話しかけてる
ド ウ シ タ ノ ???
先週のこと、茄子はお友達のとこからやってきた
丸くて極上の紫
傷ひとつないピンと張ったお肌の美しい茄子
澄ました顔で私のボウルに入る
ぬか床の準備はできてるよ
ふかふかほんわり味噌の香りがする私のぬか床
さあ、茄子よ 入ろうね
ぬか床を少し掘って
ゆっくりおやすみって声掛けた
茄子の眠りはゆっくりと
1週間くらいぐっすりと
毎朝そーっと起こさぬように
ぬか床ベッドを整えた
そんな可愛い可愛い茄子を
私はやっぱりどうして食べられようか
いやいや、食べたい、美味しそう
そうだ、この詩を捧げよう
そしてきっと成仏した茄子を
大事に大事に頂こう