街路灯 温泉郷
小さな道を照らしてきた
おしゃれな街路灯が
突然 折れた
走っていた車の
ボンネットにぶつかり
乗っていた人がけがをした
倒れてくる街路灯の車載映像
「怖い」と話す
近所の人たちのインタヴュー映像
街路灯は高さ5メートル
立てられてから29年
一度も点検されていなかったと報じられた
折れたのは
下から1メートルあたりの接合部で
断面を見ると
赤黒い錆が中心部まで食い込み
一部は空洞化していた
事故が起きたのは夕刻で
街路灯はもう点灯していた
いつものように
道をオレンジ色に照らしていたら
突然 折れて 横倒しになったのだった
が 電球は割れなかった
街路灯は アスファルトに平べったく
最後の虚しい光を漏らしていた
29年間 道を照らし続け
倒れた数時間後に撤去された
人を傷つけた危険な工作物として