ここにあらず 理蝶
笑顔は空に似せると綺麗なんだ
しなやかな肉を
血で引っ張らないで
わきあがったものだけを信じて
赤錆の街にも 君は綺麗で
平気そうに立っている
ふうに見える
ペテンの要領を
自分に試しても
君は 君に吹く風を
無視することはできないんだよ
どんなわがままも
許される夜があっていい
傷つき方を選べなかった
悲しい星で
君のうつくしい頬が
守られるために
何ができるだろう
夏のおとずれを教えよう
長い雨だって慈しもう
僕としてもおそれず
僕の話を逃げずにやるよ
心と事物のちょうど間に
焦点をもってきて
どちらも淡く見つめて
ここにあらずで越えてゆく
僕鈍くなってゆくから
いろんなことに
気づかないようにするから
そうやって
越えてゆくから
つまらない なんて言わないで