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スレッドNo.4467

太陽の匂い  理蝶

晴れた日に干した布団に
顔をうずめる 
ふかふかと漂う 太陽の匂い

どうしてこんな匂いがするかなんて 
その仕組みなんて
多分知らない方がいい

日光のやさしい香水が
布団にのこったのだ
そう考える方が 
世界はゆたかに
流れるはず

そういうことって往々にしてある
知らない方がいいこと
わからないからきれいなこと

いつだって
無知のもやの奥から
魔法はやってきて 世界に灯される

五感をもって 
世界をめいっぱいかきあつめて
それに 意味を与えつづける
そんな せわしない定めならば

ただしさより うつくしさ
定理より 物語
僕はそれを信じたい

ふかふかの布団に顔をうずめる
やわらかに焦げくさくて
いつ匂っても なつかしくなる
照れくさい匂い

ロケットがたとえ 
明日 太陽まで飛んでも
そこでひょうきんな宇宙飛行士が 
布団を干して
一瞬にして それを消し炭にしてしまっても

地球の 僕の ワンルームでは
この匂いは
ずっと 太陽の匂い なのだ

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