水無川 渉様、「或る貧困労働者の祈り」に対する感想と評をありがとうございました。 秋乃 夕陽
水無川 渉様、「或る貧困労働者の祈り」に対する感想と評をありがとうございました。
何度も同じテーマで詩や歌をつくってきましたが、今回は「オレ」という架空の人物を使って描いてみました。
私自身がちょうど、この人物と同じ『超氷河期世代』であり、また『非正規労働者』として働いており、朝から晩まで無理難題や責任を押し付けられ働いている様やそのようにどんなに働いても貧困から抜け出せない悲哀を「オレ」という人物の口を借りてどうしても語りたかったのです。「オレ」もまるで水を得た魚のように、書き進めるたびにイキイキと自らの境遇を語りかけ始めました。それを「説明的な長い独白」と捉えられてしまったのは非常に残念です。『超氷河期世代』の『非正規労働者』の誰もが抱える問題を主題においたがために、どこかで見聞きしたことのあるような既視感を持ってしまい、結果的に「ひねり」や「驚き」や「発見」がないと感じさせてしまったのかもしれません。
しかしながら、もし他人事のようにニヒルに俯瞰して、貧困に苦しむ人々の日常生活のごく小さな一コマを描写するだけなら、この詩は誰の心にも響かないでしょう。
詩世界における「言葉の離陸」ももちろん大切ですが、地を這うような地道や実直さも「詩作品」には必要だと思います。
これからも道端に落ちている一粒の詩を拾って描き続けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。