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スレッドNo.4547

感想と評です 10/10〜10/12までのご投稿分の評です。  滝本政博

私用でしばらく家を離れるので、お先に失礼いたします。


「昼と 夜の 雫」   益山弘太郎さん   10月10日

どのような意図で書かれた詩なのか今ひとつわかりませんでした。
書かれているイメージ、感覚をそのまま楽しめばよいのでしょうか。
私は詩は必ずしも意味がなければいけないとは思っていません。そのような(意味を持たない)詩があっていいし、というか、どのような詩表現も許されると考えます。イメージ重視の詩があってもいいし。リズム重視の詩があってもいいし。
だだ今回は楽しめなかったです。

第二連がいいですね。
「私は 仮の世という 存在
この湖の 水面に映る すべてのものだ
命と大自然と愛を 知る
時間に 繋がりを 持ちたい」
ここは一級品だと思います。

ここから始めて、関連性のある描写を広げていったらよいのではと思いました。
いろいろな色彩描写が出てきますが、私にはぴんときませんでした。
言葉の喚起力が弱いのか、私の頭の中で像が結ばないのです。
すみません、私の感覚が鈍かったり、益山さんと合わないだけなのかもしれません。
これに懲りずにまた書いてください。
逃げているわけではないのですが、他の評者の意見を聞くのも手だと思います。



「後書き」  喜太郎さん   10月10日

今回も快調です。発想良し。展開もスムーズです。
欲を言えば、内容にあまり飛躍が感じられず、次の展開も読めてしまいがちなのが気になります。
これはどうしても損ですね、もったいないと思います。
詩の中に、思いがけない一行、光る展開があればと感じます。そういう行が一、二行あれば、ワンランク上の詩に変身するとおもうのです。言うは易しですね。

少し時間をとって考えてみました。どうかな、参考になればと思います。

「あなたの声は花でした
でももう私の中で咲くことはないでしょう
反響と香りだけが幽かに残っています」
これを、元の詩に入れ込んでみます。


もしも二人の物語に
後書を書くとしたなら
私はなんて書くのだろう
二人で綴った想い出の物語を
否定してしまう様な内容で締めくくるのだろうか
それともそこには確かな愛があったと
前向きな言葉で涙を拭うのだろうか
あなたなら二人の物語に
どんな後書を書いてくれるのだろう
読む人の心の中の隅の方にでも
二人の愛が残る様な1ページを書いてくれますか
もう物語は終わってしまったけれど

あなたの声は花でした
でももう私の中で咲くことはないでしょう
反響と香りだけが幽かに残っています

あなたはまた読み返してくれますか
そんな気持ちにさせる後書を私は書きたい
もう二度と物語は続く事はないけれど
お互いに新たな物語を綴る時に
せめて参考書ぐらいにはなれたらと願います
それがわたしの後書だから

勿論、一例ですのでご自分でも考えてみてくださいね。
ここまで書けるのですから、いい意味であえて「引っかかる箇所」を作成するのも意味のあることかと思います。「引っかかる箇所」とは、あえてスムーズに流れすぎずに、作者の内面を見せる場所を一部作る等のことです。
今回の評価は佳作一歩手前といたします。



「待合室」  秋乃 夕陽さん   10月12日

よく書けていると思います。佳作とします。
私も精神科に通って十年たちますが、最初に受診した日はよく覚えています。
第一連目、良いですね。何かが始まる予感と不安を感じさせます。
汗の描写等、リアルです。
会社によって酷い仕打ちをされ、精神を痛めたのですが、その悪辣な雇用状況は読んでいて腹立たしくて胸が痛みました。そもそも非正規雇用などとゆう仕組みが出来た時点で日本はおかしな方向に舵をきりました。
自分がいまおかれている状況を、不安や怒りも含めてバランスよく表現出来ています。平易な言葉で率直な感情を正直に描いています。構成もわかりやすくて、読む人のことも考えていると思われます。
最終連は少し希望を抱かせるように書かれていて、これ私はセンスがよいと感じました。作者の事を思い、すこし救われる気がしました。ここは絶妙な匙加減の描写だと思います。
少し難があるとすれば、行分け詩でありながら、やや散文よりであり、ちょっと平板な印象があります。
この作品は秋乃さまにとって、どうしても書かなければならない、のっぴきならないものだったのでしょう。それは伝わってきました。
作中<常に思い責任を負わされ>
は、「重い責任」の間違いかとおもいます。



「味噌汁の味が 変だったことで」  まるまるさん   10月12日

佳作とします。
毎日のご飯の用意、ご苦労様です。お仕事もおありなのに、本当に頭がさがります。

「夜までに悪くなってしまわないか
気になってはいたけど
この頃は火を通す頃合いを
肌で感じられるから
まあ 問題ない
自分で突きとめたオリジナル基準
やってきたから わかる」

プロの主婦VS大自然 の対決
味噌汁の味が変だったことで、軍配があがったのは大自然。

後半は怒濤の自然(宇宙の存在)の賛歌となります。

「宇宙の存在は
途方もなく 豪快で
強さも 優しさも

誰にも 抗う事なんてできないんだな

私自身も
大自然の恵みによって
生きている
不思議と 清々しかった
少しだけ 嬉しかった」

大きな気づき、発見が待ち受けていました。

日向性とそこはとないユーモアがある文章で好ましい感触です。
日常を描く生活詩ではじまり、大きく壮大な世界に抜けて行く書きぶりが素敵でした。そこには詩の発見があったのでしょう。インスピレーションが降りて価値観の書き換えがあったことが綴られています。読者としてそれを追体験することも意味のある事でした。

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