風に乗る金木犀 上田一眞
秋色も色濃くなって来ると
微かな金木犀の香りが漂い
スマホの上を覆う
ぼくの手は止まり
スマホを置く
ふくよかな香りに包まれ
留まる 思考
何という詩情であろう
金木犀の香りを知ったからには
もはや物語を紡げない
でも 秋の光に祝福され
風に乗る金木犀
ぼくはこのたゆとう香りが 限りなく
好きだ
早朝
音信(おとずれ)川河畔に立つ
秋色も色濃くなって来ると
微かな金木犀の香りが漂い
スマホの上を覆う
ぼくの手は止まり
スマホを置く
ふくよかな香りに包まれ
留まる 思考
何という詩情であろう
金木犀の香りを知ったからには
もはや物語を紡げない
でも 秋の光に祝福され
風に乗る金木犀
ぼくはこのたゆとう香りが 限りなく
好きだ
早朝
音信(おとずれ)川河畔に立つ