卑怯者のうた
君への思いが足りなくて
君と別れた十字路が
飛行機窓から見下ろすと
山に刻まれた十字架に見える
背負うべきものを捨てて
重力に逆らっても
胸の奥の重い想いが
重い錘の重しの下で
受け止めきれずに散乱している
これらの想いを知性を盾に
言い訳へと変換して
全てを無かったことにしたら
山に刻まれた十字架が窓枠に変わった
君の父になるべきだった
君を救う者になるべきだった
対等という言葉に隠れて
責任から逃げていた
勝ち負けではなく、守るべきものがあった
生き死にではなく、生き抜く理由があった
堕ちるべき場所は空ではなく、大地だった
「あれは大地の窓か」
俺は飛び出す方向を間違えたのだ
迷いを捨て、これからは父として生きる
後悔の旅ではなく、覚悟の道を進む