9/24〜9/26までにご投稿分の評と感想です。 井嶋りゅう
遅れてすみません。
9/24〜9/26までにご投稿分の評と感想です。
ご投稿された詩は、一生懸命書かれた詩ですので私も一生懸命読ませていただいておりますが、上手に意味を読み取れなかったり疑問を書いたり頓珍漢な感想になったりする場合もございます。申し訳ございませんがそのように感じた場合には深く心に留めず、そんな読み方もあるのだとスルーしていただけると助かります。どうぞ宜しくお願いいたします。
*****
「響灘」津田古星さん
津田古星さん、こんばんは。
4連目「電車の窓から夕日が海に沈むのを見て」、ここの風景がタイトルの響灘と繋がっているのでしょうかね。そのように感じました。とても切ない詩ですね。三十八年経ったいまも、まだためらう気持ちが残っているということが、まだ消化できていない想いのやりきれなさみたいなものを感じて胸が痛みました。最後の連で「返信したくなったけれど」とあります。ということは、メールなどのやりとりがあるのだとわかります。三十八年後にまた繋がったのだと推測できます。ご縁があるお二人なのかも知れませんね。そもそもお付き合いをされていたお二人なのか、あるいは幼馴染などで気付けばずっと一緒にいたお二人なのか、詩中の「私」が居なくなったとしか書かれていないのでわかりませんが、確実に恋心が存在していた。この詩を何回か読んで、実は印象が最初と変わったんです。想いは伝えられていないけれどもハッピーエンドなのかしら?と。この先の人生にもう彼はいないと思ったけれど、ある意味彼だけが残ったということかしら?と勝手に想像して、人生というものは不思議だなと思いました。
書き方のお話なんですが、一連目と2連目の置き方が少し気になりました。特に一連目のカッコ書きなんですが、これは自分で自分につっこんでいるという感じなんでしょうか?女性のつっこみに感じましたもので、この詩の主人公は男性なのかと実は最初思いましたが違ったようですね。この一連目と二連目は独立させるより、三連目以降に組み込んでいくほうがスムーズに読めそうです。
宜しかったらご一考ください。佳作一歩前といたします。
*****
「大丈夫」喜太郎さん
喜太郎さん、こんばんは。
「大丈夫」という言葉ほど、信用してはいけない言葉だと私も思うんです。大丈夫じゃない人ほど大丈夫っていう、ということを知らないといけないと思うのです。「大丈夫」と言わせてはいけないと思うので「大丈夫」と聞かないでほしいと思うこと、あります。この詩はそういうことをとても分かっています。ピンポイントで大丈夫なことはあるんだけれど、全体的には大丈夫ではない。そう、大丈夫は相手から言われたい言葉なんですよね。よく分かります。この詩は恋愛のような感じを受けますが、実は恋愛じゃなくても、悩んで解決策を見出せないすべてのかたに送ってあげたい詩だと思いましたので、おまけの佳作といたします。
*****
「彼岸花」荒木章太郎さん
荒木章太郎さん、こんばんは。
彼岸花の季節ですね。今年は暑すぎて開花の時期が遅くなっているようです。
こちら、淡々と書かれておりますが、心の中が大荒れ感を感じました。牧師さんへ懺悔したのに見上げた月は四角に変形している、そんな心の目が自分を刺すように攻撃的だったり空虚だったり。とても傷ついている様子が伝わってまいりました。自分を赦す、ということも大切かもしれませんね。なかなか難しいですが。最後から二連目の「確かにすべてが平等にみえる」という一文に妙に納得いたしました。佳作一歩前といたします。
*****
「向日葵〜貴方だけを見つめる〜」司 龍之介さん
司 龍之介さん、こんばんは。
この詩はラブレターですね。向日葵のような貴方、なのでしょうか。あるいは、向日葵へ向けた想いなのかもしれません。でも少しだけ、向日葵から貴方へ、というふうにも感じられました。実は今年、神奈川でも有名な向日葵畑へ出かけまして。よくあるじゃないですか、画像ではすごいけど実際行ってみたらたいしたことなかった、みたいな場所って。でもそんなことなくて、本当に見事な向日葵畑だったんです。向日葵って一本でもこちらを見ているような錯覚をおこしますが、それが大量な向日葵だったもので、怖いくらいの視線を真昼に浴びました。この詩はあの日の向日葵を思い出しながら読みました。タイトルは花言葉でもありますね。
冒頭の1行目ですが、「私は誰にでも」なんですが、これに続く言葉が「こんなに/見つめるわけじゃない」になってますが、文章として意味はわかりますが、違和感が残りました。最初と最後を合わせると「私は誰にでも 見つめるわけじゃない」になります。なんとなく違和感ありませんか?ここは「私は誰のことでも」のほうがしっくりくる気がしました。宜しければご一考ください。佳作一歩前といたします。
*****
「沖合」飴山瑛さん
飴山瑛さん、こんばんは。
初めまして、井嶋りゅうと申します。
どうぞ宜しくお願いいたします。
とっても良い詩でした。何というか、久しぶりに詩的な表現を読んだような気持ちになりました。特に三連目以降、すべて素晴らしいですね。表現に感動しました。実は少し内容的にあっちこっち行ってる感がありまして、こちらが迷子になりそうになるんですが、心地よい浮遊感があって、適度に現実的で、ラストですとんと此処に感情が戻ってきたような感じがしました。言葉が拙くて申し訳ございませんが、本当にとても良かったです。佳作といたします。
*****
「つかの間の誓い」温泉郷さん
温泉郷さん、こんばんは。
良いですね〜。この詩は「谷間の家具」という絵画を知らなくとも感動いたしますね。これはこの絵画を観て、インスピレーションを受けて書かれたものでしょうか?感情移入がとても優しく尊いですね。タイトルもまたぴったりでしたね。2脚のアームチェアの会話がまた素敵です。そんな会話をされていたなんて、ロマンチックでどきどきしますね。「急いで誓いの言葉を」と促され、また自宅へ戻ってきた時には何事もなかったかのように2脚はすましているのでしょう。想像が膨らみ、含み笑いをしそうになりますね。私は絵画や写真を見ながら詩を書くことが出来ないので、それが出来るかたを尊敬してしまいます。とても良かったです。佳作といたします。
*****
以上6作品のご投稿でした。
どうもありがとうございました。
急に涼しくなる日がありますね。私は風邪をひいてしまいまして、咳がずっと残っています。
皆さんもどうぞお気をつけください。