三浦様 評のお礼です。 荒木章太郎
三浦様。佳作の評を頂きありがとうございました。主人公は父親の役割を果たせずに、娘と別れてしまった身勝手な男の話です。旅に逃げようと飛行機に乗るのですが、離陸する窓から十字架を見つける。そこで男は自分が卑怯者であると開き直り自己憐憫に浸っていることに気づくのです。そして、どこへ逃げても父親であるという現実から逃がれることができないことを悟り、彼は娘と向き合う覚悟を決めて引き返す物語でした。時に自分を責めるという行為が現実を直視する苦しみを避けるための対処になることを描きたかった。私は常日頃から人間の弱さを、尊いものと捉え、詩で表現したいと思っているのですが、いざ描くとなると自分を守る為に表現をぼやかしてしまいます。そんな私自身に対する叱咤の気持ちが題名に表れたのだと思います。