10/22〜10/24までにご投稿分の評と感想です。 井嶋りゅう
10/22〜10/24までにご投稿分の評と感想です。
ご投稿された詩は、一生懸命書かれた詩ですので私も一生懸命読ませていただいておりますが、上手に意味を読み取れなかったり疑問を書いたり頓珍漢な感想になったりする場合もございます。申し訳ございませんがそのように感じた場合には深く心に留めず、そんな読み方もあるのだとスルーしていただけると助かります。どうぞ宜しくお願いいたします。
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「悲しみの川」喜太郎さん
喜太郎さんこんばんは。
突然ですが、喜太郎さんは評はご入用ですか?もし評不要でしたら投稿時に書いておいてくださいね。
今回の詩。案外と心理学的な要素があると思います。感情というのは把握するだけでよいのだそうで、その抱いた感情をどうにかしなくてもよいのだそうです。そういう意味で、悲しみの川は無理に渡ろうとせずとも、いつか自然に渡れる日がくるまで待っていよう、という試みが素敵だと思いました。せっかくだから泣いてみようと思ったがすでに泣いていた、それに気づかないくらい目の前の川は激しく流れていた、という心模様で着地しているところも良かったですね。喜太郎さんの詩は目の前の風景だけに集中して書かれてあるので入り込みやすいと思います。入り込みやすいのですが、もう一歩、その先へ続く表現があったらさらに良い詩になるような気がいたします。佳作一歩前といたします。
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「地下鉄のセッション」温泉郷さん
温泉郷さんこんばんは。
すごく良い詩ですね。地下鉄の一駅分はわずか2分。その2分間で、ベビーカーの男の子とセッションという交流が繰り広げられる。もうほんと、この男の子じゃないけど、私も徐々に笑顔になっていきました。素晴らしい詩だと思いました。まず初連のガラス越しに見る風景が良いです。汚れた風景と憂鬱になるニュースから始まるところ。そこからの2連目「こんな瞳はきっと/世界共通だね」で、んん!と嬉しくてうなります。笑顔は共通語だと何かで読んだことを思い出しました。4連目のお母さんのスマホいじり。7連目のいまいちの反応、8連目の考察、10連目の秘密の共有、12連目の「染みも境目もない青空」そうかあ染みがないんだなあ、と、青空に対しての例えが、心と情景をうまく表していてとても良かった。13連目「何が何でも/大きくなれ」このメッセージにきゅんときます。羅列してしまいましたが、この詩はもう佳作以外ありません。この詩がたった2分の出来事であるという奇跡、この騒々しく忙しい日常で、私はどうしても2分ということを押したいのです。タイトルにはぜひ「2分」を入れていただきたいと思うのです。「2分」あるいは「2分のセッション」宜しかったらご一考ください。2分で世界は変わる。佳作といたします。
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「拾う」人と庸
人と庸さんこんばんは。
とても良い詩だと思います。漢字は動作から成り立っているものが多いですよね。この「拾」という漢字には人の動作だけではなく、そこから繰り広げられる人生が描かれていて感動しました。
歳を重ねると手放すことが大切になるらしく、身近なことでいうと断捨離など、もう使わないものは手放しましょうと本屋さんの棚に沢山そんな本があります。私もチャレンジしてるんですが、手放すということは購入の仕方を考えるきっかけにもなって楽しいものです。
話がそれてすみません、この詩の拾うというのは物ではありませんが、いま自分の手元にあるもの、かつてあったもの、もう一度欲しいと思うもの、そういうものを自分の両手を見つめながら考える、そんなことを読み手は感じ取る詩だと思いました。後ろから四連目のカッコ書きになっている問いと答えの部分が、とても心に沁みました。佳作といたします。
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「悪くない」まるまるさん
まるまるさんこんばんは。
実は私も「悪くない」という言葉、好きなんです。五連目にある、
良いか悪いかだけでなく
間に見つけた もう一つの言葉
「悪くない」
確かに間かも知れませんが、時に「良い」より良いように感じることがあって。ニュアンスの問題かもなんですが、「悪くない」というのは悪くないですね。
私も食器のすすぎをきちんとやるタイプで、何なら他の作業もきちんとやる傾向にあって、まるまるさんのように理解して緩和していったタイプではなく、結局、そこまでしなくても死にはしないだろうという投げやり感に落ち着いたタイプでした。何とかなる、そう思えた時に日常が少し楽になりました。
書き方のお話なんですが、二連目の旦那様の会話ですね。「肌に直接触れても良いもの」で止められていますが、ここは会話をそのまま書いたのかもしれませんが、次の行にいくのに少し、ん?となりましたので「肌に直接触れても良いものなんだから」あるいは「肌に直接触れても良いんだもの」などのほうがすっと読めるような気がしました。宜しかったらご一考ください。共感できる詩でした。佳作一歩前といたします。
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「解放の唇」荒木章太郎さん
荒木章太郎さんこんばんは。
実は上手に意味をとれなくて、何度も読んだのです。全部で6連からなる詩ですが、
(人間が考える愛の形なんて、たかが知れている)
までの部分と、その下の部分と分かれてあるように感じるんです。すごく簡単にわかりやすく言うと、微妙に違う感情で別の日に書いた、みたいな感じを受けるんですよ、違っていたらごめんなさいね。このカッコ書きから下の3連は、はっきりとはわからないけれど相入れない何かが存在する感覚を受けます。実はこの3連の中のどこかにカッコ書きをとりいれて推敲すると、上の2連も自然と補填されてくるような気がしてくるんです。うまく伝えられていないかもしれなくて申し訳ないのですが、下3連をメインにした書き方のほうがすっきりするかな、というのが感想になりますね。荒木さんはなかなか硬質で良い詩を書かれているかと思いますので、今回はこのようなアドバイスとさせていただきます。受け取れそうなところがございましたら宜しくお願いいたします。
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以上、5作品のご投稿でした。
ありがとうございました。
そして、
Kazu.さん。富士伊真夜さん。
この度は誠におめでとうございました!
引き続きどうぞ宜しくお願いいたします。