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スレッドNo.4765

評ですね。 10月25日〜28日ご投稿分  雨音

「万華鏡」秋さやかさん
秋さん(秋さんって秋に話しかけているみたいで素敵ですね)こんにちは。
こちらの作品にはちょっとおまけの佳作をお届けします。
まず、万華鏡の中に「あなた」が見える、というところがとても素敵ですね。そして、回すたびにいろんな姿を見せてくれること、なんだか色々深く共感しました。苦手な模様も、素敵な模様も同じものから作られている、というメッセージが伝わってきました。
万華鏡は英語では(あえてカタカナにしますが)カレイドスコープとよばれていて、「美しいもようを見る」という意味のギリシャ語がもとになった言葉ですが、こんな風に作品として拝見するととても新鮮に感じました。おまけ、の部分ですが、「あなた」が多く出てくることから、あなたが特別な人だということがわかります。なので、最後に「人」という一般的な言葉が出てきたことが少し唐突に感じました。ここはもうあなた推しで、「特別な人」とかそういう風にしても良いかもしれませんね。そして、万華鏡をもう一度回してみたら、というのも、これからも何度となく回していくんだろうなというのが伝わってきました。素敵なストーリーでした。

「般若の微笑み」上田一眞さん
上田さん、お待たせしました。
この情景はお母様が亡くなった経緯を書かれた作品から続いて拝見しているために、より身近に感じることができました。そしてまた、認知症を持った高齢者を身近に持っているので、そう言った意味でもとても伝わってくるものがありました。そういう意味で少しフィルターがかかっているため、そこは少しフラットにして読み返しました。(誰にでも伝わるのかということが大事ですよね)
まず、二連で、怪しく蠢いている、という部分から、この継母との関係性が平坦なものでなかったことが伝わってきました。三連目はこのままでももちろん構いませんが、ちょっとだけ引き算してもいいかも。今年の十二月で、などは大きな意味はないと思います。なので、この冬で、とか簡単にするとこの連の重さが減るかもしれません。というのもこの三連は修羅の道からが大事で、そちらを引き立たせた方が、という気持ちがありました。ここからは後半に向かってとてもよかったです。特に一字下げになっている継母さんの語りの部分が良いと思います。後半が大切なので、やっぱり、この三連は少し軽くする方がいいかもしれないですね。ご一考くださいね。全体としては、日常の一場面でありながら、百年近い人生の終焉を迎えている一人の女性と、その女性を見送ろうと決意している主人公両方の人生が、長い葛藤が今、凪の時を迎えようとしているのかなと伝わってきました。とてもよくかけていると思います。佳作です。

「一本」松本福広さん
松本さん、お待たせしました。
剣道の「一本」に関する作品、全く剣道の知識がないので、そうなんだなと思いながら拝見しました。大変整理され丁寧に順序立ててわかりやすく書かれていると思いました。ここに、実際に競技をしている人の気持ちが重なっていたり、逆に全く関係のないことをこの剣道の一本に重ねてみたりすると、この作品がとても生き生きとしていくと感じます。この場合は、最終連をもう少し肉付けしてボリュームを増やして書いてみると良いかもしれません。一本取られてしまった時、取った時の、感情というのかしら、そういった人間っぽい部分があってこそ、引き込まれていくのかなと。この辺りはご本人の好みもあると思いますので、ご一考くださいね。

「父の日記」津田古星さん
津田さん、おはようございます。お待たせしました。
こちらは佳作とさせてください。とても簡潔に淡々と書かれていますが、過不足なく、行間から伝わってくる作者の情感がさりげなく良い作品だと思います。認知症のある方を私も身近に持っていますが、今、を生きている方達だとつくづく感じます。その今が生き生きとしているのなら、よしとしなければ、と最近思ったところです。10分前のことは忘れてしまうのだから、日記はやっぱり無理ですよね。もしかしたら、日記をパタリと辞められたこと、そして、もっとあっただろう日記を多分ご本人が処分されたことも、病気を自覚された時だったのかなと思いを馳せました。こういった私ごときが想像しているようなことも、当事者である津田さんは色々考えられているでしょうし、湧き上がる感情もたくさんおありだったと思います。ですが、そこを極力抑えて書かれていることがこの作品をとても良いものにしていると感じます。蛇足ですが、この作品には実は泣いてしまいました。私の父も他界して間もなく私の父の場合は日記ではなくて手帳が何年も残っています。これは日記に近い形でぎっしりと書かれていました。私はまだこれを読むことができないままでいますが、やっと読もうかなと思えるようになりました。ありがとうございます。

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終わりに。

Kazu.さんのお知らせを伺って、本当に心から胸が震えました。なんて誇らしい、と。仲間と言えることを光栄に思っています。日本に戻ったら、お手紙をしたためてお送りしたいと考えているところです。ファンレターっていうのかしら。

富士伊真夜さん、この度はダブル受賞、おめでとうございます。
素晴らしいですね。これからがとても楽しみでなりません。
ますますのご活躍、応援しています。

秋が深まっていきますね。

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