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スレッドNo.4778

卒業  相野零次

そろそろ僕も卒業しなきゃいけない、僕自身から。
詩のためにも、死のためにも。
難解な数式は解けないとか、難解な表現はいらないとか、言い訳だよ、諸君。
さあ、壇上にたってスポットライトを浴びて、自分の無力さについて存分に語りたまえ。それがいずれ魅力になるかもしれないさ。
そのとき壇上にひとりの少女があがって、僕に賞状をくれた。
中身は大したことのない内容だったが、ひどく緊張して震えていた賞状をもった指先を僕はわすれないだろう。
僕は壇上から降りるとき段差につまづいて苦笑いしたが、もう誰もこちらを見ていなかった、ちくしょう。

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