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スレッドNo.480

黙示  Liszt

 砂漠の無垢と純潔の彼方から、見知らぬ旗印を掲げた蛮族が疾風
のごとく攻め寄せてこの国の城壁に迫ると、彼らの言葉を解せず、
その奉じる神々を信じぬ者たちは、城を捨て算を乱して荒野に逃げ
去った。労せずして城内に入ると、蛮族はすぐさま失われた時間と
物語をこの国に取り戻す。すると、私たちにはありありと見えたの
だ―幾千の罌粟の花が一斉にまぶたを見開き、虚無のとばりを開け
放つのを。ないがしろにされ打ち捨てられた遺骨から死者がよみが
えり、異教の神々を賛美するのを。一度は生まれてくることを拒ま
れた子供たちが改めて現世に招き入れられ、そして聖なる愚者が牢
獄から解き放たれるのを―そのとき私たちは理解した。今ここで裁
かれているのは生者の傲慢と無関心、別けてもその身勝手な論理で
あることを。

編集・削除(編集済: 2022年08月19日 10:14)

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