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スレッドNo.4826

真実を宿す詩人  荒木章太郎

月夜のしじまに
私人が訪問に来た

インターホン越しに
おおやけの話を聞かせてくれた
かつては公人だったらしい

俺は夕焼けの詩人だから
疑い深く、彼を家に招かなかった
録音されていることを承知で
互いに死人の話をした
理不尽で罪深き夕闇の話だ

明け方の話に至り
一つの物語が生まれた
それは真実だった

顔を合わせることなく
二人は別れた

俺はこの話を公表することを
頼まれはしなかった
距離は縮まらず
信頼は得られなかったのだろう

だが、俺の責任の元で
この物語を公表することにした

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