温もり じじいじじい
クリスマスの朝
妻がいつものように 私より早く目覚めた
いきなり私を揺り起こし一方を指差した
そこには手のひらほどの小さな折り紙
妻の好きな赤と私の好きな青の2枚だ
小さいと思っていたら四つ折りになっていた
妻は折り紙をひらくと涙をこぼし泣き出した
妻は赤い折り紙を私に差し出し手渡した
それは今月7歳になるはずだった娘が描いたであろう手紙だった
つたないじで一生懸命描いたであろう妻と私の似顔絵もあった
「メリークリスマス ママ
わたしはてんごくでげんきにしてるよ
ママのつくるカレーライスたべたいな
ママとパパをいつもみているからね
わたしのぶんもいっぱいいきてね
ママ パパ だいすきだよ
いつまでもなかよくげんきでいてね」」
私も手紙を読み涙がとまらなくなった
青い折り紙をひらくと私への手紙だった
「メリークリスマス パパ
わたしはてんごくでげんきにしてるよ
パパのかたぐるまだいすきだよ
ママとパパをいつもみているからね
わたしのぶんもいっぱいいきてね
ママ パパ だいすきだよ
いつまでもなかよくげんきでいてね」
数ヶ月前に天国へ旅立った娘からの手紙
これは奇跡としか思えない
妻と私も涙を拭いて笑顔でどちらともなく
「最高のクリスマスプレゼントだね」
といった
その日の夜は娘の大好きなカレーライスと
大好きなクマのぬいぐるみが食卓を飾った
2人は食事中 ずっと娘の思い出を語り合った
食事中
私の両肩にずっと娘の重みを感じていた
そして娘の温もりを感じていた
私は心の中で娘に言った
「ずっとそこにいていいからね」
メリークリスマス
サンタクロースさん
妻と私に最高のプレゼントをありがとう