ふくらむすふれ 松本福広
あさおきて すぐにかーてんをあける
かーてんから せせらぐように ひかりがふくらむ
ひかりがふくらみ あたたかいあさにみちる
おはよう どあのそとから おかあさんのこえ
あさごはんは すふれぱんけーき
にちようびだけ おかあさんは
あさごはんをいつもより すてきにしてくれる
ふっくらふくらんでいる すふれぱんけーき
めれんげをちょうどいいあんばいで かきまぜないと
できないのだと おかあさんはいう
あつくない ほんのりあたたかい
ふわふわ ぽかぽか
においにつられて ねこのたまがきて にゃおとこえをあげる
わたしにも ちょうだいってことかな?
わたしより すこしおくれて おきてくる おとうさん
きのうは のみすぎた という おとうさん
ぽんぽこした おなかを さすっている
おおきくそだちすぎた ねこのたまみたいだなとおもう
たまはのびをしている このときだけ おなかがめだたない
おかあさんのおなかも だんだんと おおきくなっている
おなかのなかに あかんぼうがいるのだ
それをおしえてもらったときに
このすふれぱんけーきと おなじにおいがしたのを おぼえている
おかあさんのおなかが あたたかくかんじた
ふくらむおなか
ふくらむあさ
ふくらむあたたかさ
わたしのなかにふくらむなにか
たまの おなかを なでる
このときとは ちがうきもち
このきもちのなまえは なんだろう