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スレッドNo.5011

水ぶくれ 飴山瑛

白い夜
眠っていたから
固まった目脂が
はがれる

目覚めるのが
こわいから
この部屋は
ぬるいまま

葉の落ちた
枝の隙間から
こぼれるひかり
影の形に焼かれた肌
冷たいままに

愛がなにかを
救えるなら
迷わずに
いられたけれど

赤から紫
そして白へと
山際のそば
心臓だけが
たしかなものだから
いつまでも
立ちつくしている

枯葉を踏む
割れて
粉になる
輪郭は
真実だから
いつまでも
ひとり

私のかたちに
雪がよけていく
地面は
いつまでもかたい

膨れた霜柱を
徒に砕いては
指先が少し痛むのに
よろこぶ

そこにいるだけで
いつからかさみしい
あなたはそこにいるのに
いつまでも

ただ
触れたところだけ
あつい

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