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スレッドNo.502

はつこい  秋さやか

一途に伸びる
ひこうき雲の端っこを
きまぐれな鳥が突き抜けて
ちぎれたとこから生まれた
雲うさぎ

とつぜん放り出された
真っ青のただなかに
戸惑ってたら

「ひこうきはあっちにいったよ」と
あたたかな声がした

一筋の光を
みちしるべのように示してくれた
おひさまに
うさぎはぴくっと恋をした

その眩しさに触れたくて
お空をとんとんとんでった

いまにも消えそうな
雲の切れ端ふみ台に

どんどん暑くなる
上へ上へ

「おつきさまはつめたそうでいいね」
なんて呟きながら

とんとんとんとん
とんでって

お空の

 じりじり

途中で

 じりじり

焦げちゃった





「つめたそうでいいね」

退屈な青いまどろみに
ぽつりと届いたその声が
夜の雨みたいに切なかったから

うさぎにそっと恋をした
真昼のお月さま

落ちてくうさぎを
受け止めて

とっても熱い
うさぎの体

 ひりひり

冷やすため

 ひりひり

その胸に
抱きつづける

やがて
ぴくっと
目を覚ますまで

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