MENU
1,312,230

スレッドNo.5043

虹蜺(こうげい)  樺里ゆう

出雲の空は よく虹がかかる
不安定な天気が多いから
一日に三度も四度も虹がかかったりする

十二月のあるとき 天気雨の中
ひときわ大きな虹がかかった
それも二つ
主虹(しゅにじ)、副虹(ふくにじ)と呼ばれる現象だ

 ──かつて古代中国では
 虹は「虹蜺」(こうげい)と呼ばれ
 身体の両端に頭を持つ 蛇に似た生き物だと考えられていたという
 虹(こう)がオスで 蜺(げい)がメスだとされるが
 両者をどう区別していたのかは 現在も明らかになってはいない──

大学時代に聞いた講義が
頭に浮かんだ

もしかしたら 古代中国の人たちの目には
こんなふうに二本並んで空に立つ 七色の帯が
寄り添うつがいに見えたのかもしれないな

果たしてこの思いつきが正しいのか
わたしにはもう調べようもないのだけれど

そうだったら いいな
そういうことにしておきたい 今は

編集・削除(未編集)

ロケットBBS

Page Top