空 秋さやか
琥珀色の光を
柔らかく振るわせて
すこし切なく響きわたる
放課後のチャイム
せっかちに号令を言い終えると
一斉に
校庭へ駆け出す子どもたち
みなちりぢりになって
それぞれの遊具をめざす
ブランコ
空中シーソー
恐竜のほね
回旋塔
鮮やかな原色たちの纏う
凛とした冷たさが
子どもたちから放たれる熱と
混ざり合う
砂ぼこりのなか
ランドセルを放り投げ
身軽になった体は
なにも恐れず
いきおいよく
回旋塔を
まわしてまわして
風を起こす
ブランコを
大きく大きく漕いで
いさぎよく
飛び込んだ
自分だけの
空へ