「いま 着いたから・・」 akko
この気分の軽さはどうしたことだろう
明け方の甘美なまどろみ
いつになく笑みがこみ上げて
夫の会社の女性社員が電話で夫の帰国を知らせてきたのだ
一ヶ月ぶりに夫が私のもとに帰ってくる
中東の煙った匂いをかすかにさせて
今日夫が戻ってくる・・・
は か な い 錯覚 だった
迂闊にも長期で海外出張中の息子と混乱
夫が生きているかのような束の間のイル―ジョン
空疎にときめいた幻覚の一コマだった
「いま 着いたから・・」
いつものように 成田からの電話
早くください 早く あなた