サイダー 上原有栖
用意したグラスにとぷとぷん
透明なサイダーを注ぐと
シュワっと弾ける炭酸の泡が
射し込む日差しでキラキラ輝く
さあ準備が出来たら杯掲げて
友達、家族、恋人と乾杯をして声上げよう
カチンとグラス目線で音を鳴らし
窓の外に視線向ければ夏模様
ベランダの風鈴が暑い風に吹かれて
チリンと合いの手入れてきた
パチパチする刺激が
子供のころは少し苦手で
サイダーが飲めるようになって
大人になった気がしたんだ
歳を重ねた今では
サイダー片手に騒いだ日々が甘く懐かしい
背伸びしたいのが子供の時代で
童心に返りたいのが大人の悲哀か
幼いころに通った近所の駄菓子屋
学園祭の打ち上げで行ったカラオケ
ドキドキした初めての夏祭りデート
皆で祝った子どもの誕生日会
乾杯の時にはいつもサイダーがあった
昔も、今も、この先も
溢れる透明なサイダーの泡は
それぞれの想い出をcolorfulに彩り続ける