感情 相野零次
愛情 友情 怒り 悲しみ 笑い 苦しみ 喜び
数多の感情が宙をふわふわと漂っていて
僕はそれをなかなか掴み取れなくて 辛い
手の平でそっと受け止めれる感情があるのは嬉しい
君に伝えたい感情がわからなくて辛い
君から伝えられる想いを受け止められて嬉しい
振り子のように僕の人生は感情に左右される
とてももどかしくてどう言い表せばいいのかわからなくて 辛い
何も考えてなくても挨拶ひとつで伝わることは嬉しい
複雑なこの感情世界のなかで僕はうまく踊れなくて 辛い
歌をうたえば感情を素直に言葉に乗せれる気がして 嬉しい
辛いことと嬉しいことの繰り返しで生まれる感情
その振れ幅がときに大波となって翻弄される僕がいる 苦しい
君に伝えたいたったひとつの言葉がわからなくて 辛い
君のことを考えて一人眠る夜は 辛い
辛いことばかりは続かないのが 嬉しい
感情は人に感動を与え人を動かしてときにおもいもよらない奇跡を生み出す それが命は尊いということかもしれない わからない
今日 いいことがあって笑った 嬉しい 雨だった 辛い
感情には終わりはないちょうどいい終わり方もない 難しい
もっと簡単に考えて手を伸ばせば届くのかもしれない
感情の波が揺れている音がする
ざわざわ ざわめいている そっと耳を澄ます
優しい感情も憎しみの感情も声をあげている
物語の終わりを伝える感情がわからない 僕は無表情で機械のようだ 狂おしい
単語だ 感情の単語の雨をもっと僕にくれ 誰かは知らない誰かはわからない でも誰かを必要としている 確かに
感情が僕には必要だ 時計の針が止まると 僕の心臓も止まってしまう 恐ろしい
もっと感情が欲しい 変化が必要だ 安泰が必要だ 何かが必要だ
愛だ 結局のところ 感情をうみだすのは愛情だ 人間だ
人間が生まれるときに感情が生まれる
僕は生きている 生きているだけで感情が生まれる 当たりまえのことだ 嬉しい
僕は薄情な人間なんかじゃない 例え冬が来て雪が肩に降り積もっても 僕は自らを奮い立たせて温まることができる そのとき 君がいれば君と抱きしめ合って温め合うことができるかもしれない 嬉しい
それには愛情がまだ足りない 悔しい 僕を愛する誰かが傍にいない 哀しい でもいつかそんな人がそっと寄り添ってくれたら嬉しい
感情だ 感情が終わらない
いつまでも いつまでも終わらない