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スレッドNo.5162

バレンタインデー/国境溶かすチョコレート  松本福広

恥ずかしながら
私はモノの価値について
よく知らない人間です。
例えば
居酒屋の色んな味を楽しめるコースメニューと
きれいなバースデーケーキが
同じ5,000円くらいだったり
ホテルの食事付き一泊二日と
橋からのバンジージャンプ一回が
同じ20,000円くらいだったり。
コインパーキングの地域差も
一日300円で停められるところと
二十分600円で停められるところ。
それらには色んな要素が絡むと思いますが
私から見ると「色んな要素」について知る術は
思い浮かばないのです。

華やかに陳列された
バレンタインデーのチョコレート売り場
あのパティシエ
あの洋菓子店
あの国で作られた
様々なチョコレートは
2月14日を万華鏡のように映していく
チョコレートの詩は
ビターだったり
スイートだったり
いつだってカラフルに描かれる
一口かじれば甘みにとろけて行く
砂糖やミルクに塗されて
本当のカカオの味は
実は知らないけれど

ガーナの青空で働く彼らは
チョコレートの味を知らない
チョコレートが様々に彩られ
素敵なラッピングをされて
刺激的な広告を使って
私たちの国に届く
私たちは
チョコレートに感動して
気持ちを綴る

ガーナの彼らの労働と
チョコレートの広告費
どちらが高いのだろう?
一枚200円程度の板チョコは
ガーナの彼らにどれだけ還元されるのだろう?
チョコレートの味を知らない彼らは
チョコレートの詩を読めないだろう
ハッキリとした境界線が浮かび上がる

国境線を溶かすチョコレート
その願いは
ガーナの彼らの厳しい状況を
熱い強い力で溶かしていく
世界や現実が曖昧な私たちは
明瞭に区切られている国々を知らないまま
ここにいるだけで
その国を知ったようにいられる
彼女はそんな環境を抜け出して
ガーナの彼らに生きる熱を与える
願わくば
国境と国境が
チョコレートで繋がれば
砂糖のように甘い想像を
ミルクのようにまろやかな想像を
それでも世界商品である砂糖を使い
カカオと砂糖が繋がり
ビターチョコレートができるように



雨音さんからの評をいただく機会を
一回失うのは痛いですが
今回は感想のみでお願い致します。
2/14と言う事にこだわり過ぎました。
詩としてはどうなのだろう?と。
今日という日だからこそ
マーハチョコレート 田口愛さんのことを
詩にしたくて思いが走り過ぎました。
よろしくお願いします。

編集・削除(編集済: 2025年02月14日 14:53)

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