評ですね。8月5日〜8日ご投稿分
いつものんびりですみません。今回からしばらく英国よりお届けします。
「白楊」冬本広嗣さん
冬本さん、お待たせいたしました。
恥ずかしながら、白楊、がどんなものなのか分からなかったので、
調べさせていただきました。
色々と出てくるのですが、ポプラ、と解釈させていただきますね。
実はわたしは現在イギリスにおりますが、ポプラという木は
本当に大きくなるのですよね。
以前ロンドンのエンジェル近くの街を歩いていたときに、
樹齢何年だろうと思うほどの大きなポプラの街路樹に驚いたことがあります。
ですから、この冒頭に出てくる天を突かんばかりに梢を張る、
という部分からが目に浮かぶようでした。
広い空の下、並木道で切り取られた光景は全てをのせ、
みているものを「高く宙に放り上げる」でしょう。
広い場所で大きいな景色を見つめている雄大さがよく表現されていらっしゃる
と思いました。
風景って何の気なしに通り過ぎてしまうものですが、みている人の気持ちで
大きく変わりますよね。
一つだけ提案ですが、どこかに倒置法を入れてみると少しリズムが変わって
いいかもしれないなと思いました。ご一考ください。
「夏、失意の中で」U.さん
U.さん、こんにちは。イギリスは18度しかありません。
もうヒートテックを着たいです。
こちらの作品は文句なしで佳作でした。
2連まで読んでもう決めていましたが、最後まで裏切られるどころか
よくなっていく一方でした。
特筆すべきは展開です。展開が早いのですが、忙しくならず、
どんどんと静けさが深まっていくようで、表現と淡々とした感じが
全て調和していたと思います。
こういった心象風景はいろんなものを盛り込むと独りよがりに
なってしまうことがありますが、そういうことも一切なく、
不思議な魅力に引き込まれていきました。
色々と美しい部分はありましたが、わたしは2連3連に特に惹かれました。
「蝉時雨」荻座利守さん
荻座さん、こんにちは。
安定の美しい作品でため息が出ますね。
蝉時雨、日本の夏の中でとても心揺さぶられる言葉です。
実はわたしはひぐらしの声を聞くと胸がぎゅーっとするのです。
なんでしょうね、あの音って。何か音程とかあるのかしら。
この作品は佳作です。
天蓋、という言葉が本当に見事にフィットしていました。
空から降り注ぐ蝉時雨に包まれた時、自分が生きていることと
自分がこの世界の一部に溶けていくような感覚に陥りますが、
荻座さんの中の蝉時雨を感じることができました。
「紙コップ」喜太郎さん
喜太郎さん、お待たせしました。
こちらの作品はすごく素敵なメッセージが詰まっていますね。
紙コップを捨て続けていく前半からの展開がとてもよく、
さらに最終的に両手で掬いとっていく自分を、という構成が
力強く感じられました。
一つだけ、「ら」抜きにならないようにご注意くださいね。
この作品ですが、読んでいて、自分なりに展開していくことも可能です。
それが一番良かった点だと思います。
紙コップを捨てていくあなたも、そういうのだってありだよねと
思うこともできました。
佳作です。
「いただきます」紫陽花さん
紫陽花さん、こんにちは。お待たせしました。
ぬか床って本当にふわふわの暖かいベッドのようですよね。
わたしも無印の簡単糠床を愛用しているのですが
混ぜ混ぜするときになんとも言えない幸せを感じます。
そして、ツヤツヤのなす!これも可愛くてたまりませんね。
そんななすさんをぬかづけにして食べる前の小さな感傷をまとめた作品。
とってもいいと思います。
佳作一歩手前です。
全体としてもう一度目を通してみてほしいのですが、茄子の出番が多すぎかな。
これは少し減らしていいと思います。
それから、私のぬか床についてもうまくバランスを取ってみてほしいです。
内容とか構成とかそういったものは文句なしでしたが、足し引きしてみてくださいね。
「幼なじみ」ふわり座さん
ふわり座さん、お待たせしました。
幼なじみ、って本当にいいですよね。しかもずっと一緒に過ごせているなんて
すごくいいですね。兄弟姉妹とも違う、大切な存在ですね。
そんな幼なじみ、男女なのか、男男なのか、どっちでもいいなと思います。
空気感はとてもよく表現されていました。
少しだけ直してみます。
って君は言う
それはこっちのセリフだよ
不思議だね
君との関係はいつになっても
新鮮なままで
これからもずっとそうなんだろうな
なんだか誇らしい
このくらいでいいかな。少し引き算したのと、句読点を外して行を分けました。
こんな感じに再考してみていただくとスッキリしていくと思います。
ぜひやってみてくださいね。
「邪魔だ」もりたりのさん
もりたさん、お待たせいたしました。
なかなかインパクトのあるタイトルでどんな邪魔者が出てくるのかなと思いながら
拝見させていただきました。佳作一歩手前です。
こちらの作品は9連までと、10連が転機になって、11連以降、と大きく2つに
分けられるかなと思います。読みながら、少し前半が長いかなと思ったのですが
後半さらに勢いを増していくので、これでいいんだなと納得しました。
内容に関しては、すごくよく書けていると思います。
これだけの内容を一気に読ませることができるのは筆力ですよね。
一つやってみてほしいのですが、前半部の連をもう少しまとめて大きくして
後半と少し差別化してみると、後半の躍動感がさらに増すかなと思いました。
同時に前半の表現ですが、少し重なるように感じる部分があるのでそこも
見直してみてほしいのです。
闇と光、自分が自分であるために邪魔なもの、全てから解き放たれて
かけていきたいという強い気持ちは、全く同じではないものの
私にもあって、そういう意味でも本当によく書けているなと思います。
推敲を重ねて名作になると思いますのでどうぞやってみてくださいね。
終わりに:::
環境がちょっと変わり、いつものパソコンから離れて、
こちら、iPadで書いております。
不慣れなため、改行とかどうなるのかよくわかっておりません。
どうぞご容赦くださいね。
以前の経験だと変なところに?がつくのですが、はてなは一切使っていませんので
評の中にもし出てきたら、iPadのせい(*☻-☻*)お許しを。