2/11〜2/13までにご投稿分の評と感想です。 井嶋りゅう
遅くなりましてすみませんでした。
荻座利守さま、先月のピンチヒッターありがとうございました。大変助かりました。感謝致します。
2/11〜2/13までにご投稿分の評と感想です。
ご投稿された詩は、一生懸命書かれた詩ですので私も一生懸命読ませていただいておりますが、上手に意味を読み取れなかったり疑問を書いたり頓珍漢な感想になったりする場合もございます。申し訳ございませんがそのように感じた場合には深く心に留めず、そんな読み方もあるのだとスルーしていただけると助かります。どうぞ宜しくお願いいたします。
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「サイダー」上原有栖さん
上原有栖さん、こんばんは。
とてもすがすがしくなる詩でした。私が子どもの時飲んだ炭酸水と言えば、サイダーかコーラかファンタで、コーラは歯が溶けるから子どもは飲んではいけないと言われ、主にファンタオレンジばかり飲んでましたが、たぶん人生で初めて飲んだ炭酸水はサイダーだと思います。今もたまに飲みます。何となくですが、サイダーは味方みたいなイメージあります笑。この詩のように、思い出はサイダーと共にあるということ、とても共感いたしました。あと、ラムネのビー玉も思い出しましたね。
背伸びしたいのが子供の時代で
童心に返りたいのが大人の悲哀か
この比較、良いですね。大人の切なさが伝わってきますよね。童心と言えば私は夏祭りでした。去年ひまわり祭りでヨーヨーを釣りました。楽しかったです。このように、自分だったら、と色々思い出すことが出来て、とても楽しい詩でした。ありがとうございました。
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「感情」相野零次さん
相野零次さん、こんばんは。
まず「受け止めれる」「乗せれる」という言葉は、ら抜き言葉になってますので日本語として正しくないですので直しておいてください。
さて。「〜辛い」「〜嬉しい」途中に「〜苦しい」が入り、またしばらくすると「〜難しい」、そして「〜狂おしい」「〜恐ろしい」など、感情を表すシンプルな言葉が少しずつバリエーションを増やしていく。そして「愛だ」と断言する。この書き方はあえてだと思うのですが、私としましては非常に良かったです。とてもシンプルで、ごちゃごちゃと感情を書いていないところが良くて、すっと心に入ってきました。何と言いますか、人間の表情を見ているような感覚がありまして、言葉では表せないものが伝わってきました。ちょっと涙が出そうになりました。とても好きな詩でした。佳作といたします。
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「女」喜太郎さん
喜太郎さん、こんばんは。
訳アリ男女の切なさが描かれていますね。お相手にはすでに別のかたが存在しているのでしょうか。何度諦めようと思っても諦められないという結果だけが突きつけられて、堂々巡りの朝を迎える。切ないですね。いっそのこと、絶対諦めないと決めることもいいかもしれませんね。今までと逆の気持ちを持つ、そうすれば案外すんなり現実が変わるかもしれません。耐え忍ぶ感じが演歌の世界に通じていましたね。
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「時間よ止まれ」じじいじじいさん
じじいじじいさん、こんばんは。
もう少しで卒業だからと、使い捨てカメラで放課後の教室で写真を沢山撮った中学3年生の冬を思い出しました。まだ携帯電話がなかった時代でした。あの日はまだ雪が降っていて教室はとても寒かったんです。思い出って色や温度も一緒に思い出されてきますよね。4連目に「この時の笑顔は一生の思い出」とありますが、ほんと、そうだと思います。この詩には視覚での思い出が多いですが、きっと体感温度や匂いなどもあったはずで、その辺が書かれてあったらもっと良かったかなと思いました。懐かしいことを思い出させていただき、しばし過去に浸ってしまいました。ありがとうございました。佳作一歩前といたします。
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「開花」佐々木 礎さん
佐々木 礎さん、こんばんは。
大作でしたね。強い感受性や生きづらさ、伏し目がちな眼差しなどを感じます。一見脈絡がないように思えるものも、読み進めて行くと何となく辻褄が合うように思えてきて、飛躍表現もすんなり入ってきました。読めば読むほどしっくりとくる、面白い書き方だと思いました。表現へのこだわりや愛着、丁寧さも感じられました。佳作といたします。
ひとつ。このような書き方の詩は、もしかしたら私よりも適任の評者さんがいるかも知れません。三浦さんや島さんや水無川さんなど、私よりももっとこの詩について具体的な読み込みやアドバイスが叶いそうです。せっかくの大作で勿体無いと感じるところもありますので、このようなアドバイスをお伝えさせていただきます。参考になれば嬉しいです。
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「喪失」温泉郷さん
温泉郷さん、こんばんは。
ちょっとしたミステリーでした。ふとよぎる疑念が空間を歪ませる。黒い影となって自分の内側に迫ってくる。あの日あの時のあの人の表情言葉背中靴音。見逃したはずはないのに何かを見落としている、そんな感覚が伝わってきました。違和感異空間の中にはもしかしたら希望もあるかもしれない、いやないかもしれない、黒か白か、あの橋を越えて自ら結界を破ってしまえばとペダルを漕ぐけれど、変わらぬ灰色の空間の中を走っているだけ、そのようなやり切れなさのような感情を受けました。とても面白いと思いました。
さて、私は冒頭に、ちょっとしたミステリーと書きました。なぜそう思ったのかを書きます。この詩のタイトルは「喪失」。あの人と別れた詩。納得したはずのその別れ際の顔に疑念を抱き始め、心情のなりゆきがミステリー展開であるのですが、実は肝心のあの人の別れ際の顔が見えないのです。泣いてたのか笑ってたのか空虚だったのか?などなど。なので
まさか?
もしかして?
と書かれている意味を、プラスにとらえればいいのかマイナスにとらえればいいのか、正直どちらかなと思って読みましたが、歪んだままで終了しているので混沌としたままの感情なのだろうと私は読みました。この辺の書き方については人それぞれになるかもしれず、あいまいのままで想像の幅を広げておきたいかたと、そうではないかたと、いるかもしれません。今回はじゅうぶんに楽しめましたので佳作といたします。
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以上、6作品のご投稿でした。
どうもありがとうございました。
ここ数日、あたたかくなったように感じます。
花粉も飛び始めています。
なるべく対策をして乗り切りたいと思います。
その後の地獄の夏はどうしたら‥。