価値観 白猫の夜
久々に会った旧友の
瞳が嫌悪に染まるのを
ぞっと感じて見つめてました
優しい差別がこぼれる口を
塞いでやりたいとおもうのですが
それは私のエゴなのです
そこまでたいしたことではないと
思いたいので聞かないことに
曖昧に相槌を打ちながら
ぼうっと昔を思います
懐古主義ではございません
ただしほんのちょっぴりと
澄んだ瞳が恋しくなる時もあるのです
変わりゆく人模様
変わらない自分が好みではありますが
いつの間にやらおいてけぼりに
やはりちょっぴりさみしいですね
あなたは私が嫌いだという
ずっと変わらない私が嫌いだという
歪んだ瞳で私を眺めて
ついに別れを告げられる
人間とは摩訶不思議なもので
冷たい瞳には慣れぬのですね
冷たいグラスの表面
結露の雫がコースターを濡らし
カランとなった氷の音
またひとり友が去ってゆきました